酒肴のための調味料“山椒麹”。今宵のメニューは、ちりめんじゃこを「炊く」。そして白身魚を「焼く」。日本酒がすすみますよ。
酒肴研究家の稲垣知子さんが“山椒麹”を使って、素晴らしき酒肴の世界へと誘います。自家製調味料の奥義をぜひお楽しみください!
一品目は“ちりめん山椒”。ちりめんじゃこが山椒麹と出合って、完璧な酒肴に化けます。山椒の辛味と香りがしっかり効いて、でも塩味は優しい絶妙な味わいです。
二品目の“魚の山椒麹焼き”は、白身魚がパンチのある山椒麹を受け止める本格酒肴です。かぶりつくと、山椒麹のストレートな香りと味わいが楽しめます。
ちりめんじゃこ | 80g |
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日本酒(純米酒) | 100ml |
山椒麹 | 大さじ1 |
ちりめんじゃこは2回ほど軽く水洗いし、ザルにあけて水気をきる。
小鍋に日本酒と山椒麹を入れて中火にかけ、よく沸騰したら1を加える。
焦げないように注意しながら菜箸でさばくように混ぜつつ、汁気がほぼなくなるまで炊く。菜箸で混ぜながら炊いていく。 塩麹を使っているため焦げやすいので、 汁気がやや残る程度まで炊くといい。
バットに広げて水分をとばし、冷まして出来上がり。
小鯛 | 1~2尾(半身) |
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太刀魚 | 1切れ(細目の切り身10cm程度のもの) |
山椒麹 | 小さじ4程度 |
鯛は、中骨に沿って半分に切り、中骨も切って除く。太刀魚は3枚におろし、お好みで皮目に細く包丁を入れる。
1の鯛と太刀魚ともに身側に山椒麹をまぶし、20分ほどおいて味をなじませる。
それぞれに皮目を外側にして山椒麹を包むように二つ折りにし、形を整える。
魚焼きグリルにホイルを敷き、その上に3の魚をのせたらホイルで軽く包み、約10分焼く。
8割程度、火が通ったところで上のホイルをはずし、皮目を香ばしく焼いて出来上がり。焦げやすいので注意が必要。
日本酒をこよなく愛する酒肴家、料理研究家。萩ふるさと大使でもあり、萩焼の作家有志とともに考案した沓形の酒器が好評(東京「籠屋 秋元商店」や神奈川「望月商店」などの酒販店で販売中)。著書に『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)など。
文:山内聖子 撮影:三浦英絵