おやつの時間ですよ。
タルトはさっくり&ジューシーが大正解!

タルトはさっくり&ジューシーが大正解!

季節のフルーツをたっぷりのせた焼きっぱなしのタルト、最高ですよね。でも、手づくりすると、お店のそれと違ってなんだか生地がグジュグジュしているような……。焼きっぱなしタルトの失敗しないつくり方を探ります。

焼き時間が足りないの? 果汁のせいなの?

クッキーをマスターしたら、次に待っているのはタルトマスターへの道。なぜなら、タルト台もクッキーと同じ生地でつくることができるから。クリームと果物を敷き詰めて、オーブンで焼けばあっという間に焼きっぱなしタルトのでき上がり!
見た目もとっても華やかなので、クリーム系が苦手な方へのバースデーケーキとしてもおすすめです。

タルト生地をせっせとつくり、ジューシーないちじくをたっぷり並べて焼いてみたところ、アーモンドの生地がものすごく生っぽい。
“しっとり”をはるか超えたべっちょりとした食感です。これってやっぱり生焼けですよね?

教えてください、森崎繭香さん!

「フルーツなら、どんなものでも焼きっぱなしタルトにできると、わたしも思っていたんです」
でもね、と森崎さんは続けます。
「フルーツによっては焼いている間に水分が出やすいので、レシピによっては、しっかりオーブンに入れても生焼けのようになってしまいます」

森崎さん
「焼きっぱなしタルトは、オーブンで焼いたあとに飾り付けが必要ありません。好きな果物を一緒に焼き上げて、香ばしい味わいを楽しんでください!」。

「りんごやバナナ、かたい洋梨などは、オーブンで焼いても水分が出にくいのでそのままタルトにのせてOKです」
焼きっぱなしタルトはフルーツ選びがポイントなんですか?
「はい。オレンジやいちじく、グレープフルーツ、いちごなどでも、もちろんつくれます。でも、下ごしらえは必要です。火を通したり、マリネすることであらかじめ余分な水分を出してしまうのです」

オレンジを煮てから焼いたタルト。余分な水分を出すことでアーモンド生地はふっくら、タルト生地はサクッとした食感。
オレンジを煮ないで焼いたタルト。オレンジの水分が多いので、長くオーブンに入れたが、生地は生焼けでオレンジの端が焦げてしまった。

ジューシーな果物こそ、焼きっぱなしにするためにはコツがいるんですね!
「焼き時間を長くする方法も考えられますが、フルーツそのものが乾燥してしまったり、タルトのふちが焦げてしまう可能性があります」
焦げ付かせないためにも、アルミホイルをかぶせて焼くのはどうですか?
「多少は焦げることを防いでくれますが、フルーツのおいしさを最大限に引き出すためには、やっぱり下ごしらえのひと手間がおすすめです!」

オレンジとアーモンドの焼きっぱなしタルトのつくり方

材料

材料 材料 (直径18cmのもの1台分)

タルト台
・ 薄力粉 120g
・ バター 60g(食塩不使用)
・ 粉砂糖 30g
・ 塩 ひとつまみ
・ 卵黄 卵1個分
アーモンドクリーム
・ バター 50g(食塩不使用)
・ 粉砂糖 50g
・ 溶き卵 50g
・ アーモンドパウダー 50g
オレンジのシロップ煮
・ オレンジ 1個
・ 水 1カップ
・ グラニュー糖 100g
・ オレンジリキュール 小さじ1

タルトをつくるときはタルト型を用意しましょう!

直径18cmのタルト型を使用。底が抜けるタイプが便利です。

下準備

バターと卵は室温に戻しておく。薄力粉はふるっておく。

1 オレンジを切る

オレンジは実の周りの白い部分を残して皮を剥き、3mmの厚さにスライスする。さらに半月形に切る。

オレンジを切る
オレンジを切る

無農薬のオレンジであれば、皮付きのままでも大丈夫です!白い部分を残しておくと、煮ている間に形崩れがしにくいですよ。

2 オレンジを煮る

小鍋に水、グラニュー糖、オレンジリキュールを入れて中火にかける。沸騰したら1のオレンジを並べ、オーブンシートで落とし蓋をして弱火で20分ほど煮る。煮終わったら、キッチンペーパーなどを敷いたバットに並べて水分をとる。

オレンジを煮る
オレンジを煮る

鍋の水分がなくなったら煮終わりの合図です。フルーツの種類や皮付き、皮なしで煮る時間は変わりますが、いちじくやいちごなどの柔らかいフルーツの場合は5分~10分で十分です。

3 バターを練る

ボウルにタルト用のバターを入れて形がなくなるまでゴムベラで練る。粉砂糖を加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜる。

バターを練る
バターを練る

バターを練るときの柔らかさを“ポマード状”と表現することもありますが、特に女性はポマードを見たことがある方が少ないのでは(笑)?強いていえば、ハードヘアワックスの硬さかしら?

4 卵黄とバニラオイルを加える

3に卵黄を加え、黄色い筋が見えなくなるまで混ぜ合わせる。バニラオイルと塩を加えて混ぜる。

卵黄とバニラオイルを加える
卵黄とバニラオイルを加える

バターと卵はクリーム状になればOK。混ぜすぎは禁物!生地がベトベトしてきたら、バターが溶けかけている合図です。

5 薄力粉を加える

薄力粉の半分を加えて混ぜ合わせる。粉っぽさがなくなったら、残りの薄力粉を加えて、同じように混ぜる。

薄力粉を加える
薄力粉を加える

薄力粉が入ってからは、混ぜる度にグルテンが出てきます!ボウルの側面に生地を貼り付けるようにしながら、手早く混ぜ合わせましょう。

6 生地を休ませる

ラップを広げて、5をぴったりと包む。丸く形を整えて、冷蔵庫で1時間以上休ませる。

生地を休ませる

生地を冷やして休ませると、バターが溶けにくくなるのと、グルテンを少なくする効果もあります。せっかちな方でも焦りは禁物ですよ!

7 生地を伸ばす

40cmほどの大きさに切ったラップを2枚用意する。冷蔵庫から取り出した生地をラップの間に挟んで、めん棒で5mmの厚さに伸ばす。タルト型よりひとまわり大きな円形にする。

生地をのばす
生地をのばす

生地は冷えて硬くなっています。上からめん棒を押し付けて生地を広げるように伸ばし始めましょう。徐々に伸ばしやすい柔らかさになってきます。

8 生地を型に敷き込む

生地を挟んでいる上のラップをはずし、そっと型に生地を被せる。型に生地を密着させたら、上からめん棒で押さえつけ、はみ出た生地を取り除く。側面の生地をしっかりと型にくっつけたら、ラップをはずし、はみ出た生地が斜めになるように指でつまむ。

ラップの上から、生地を型にそわせるようにして密着させる。
角までしっかりと密着させることで、美しい形に仕上がります。
上からめん棒などで押さえつけます。
乾燥を防ぐために、ラップはかけたまま型からはみ出た生地を取り除きましょう。
側面の生地をしっかり型にくっつけます。
焼き縮む分を想定して、型よりも2mm~3mmはみ出るように整えます。
オーブンへ入れると、生地は横に広がります。内側に向かって斜めにつまんでおくことで、緑まで平らに仕上がりますよ。

9 生地に穴をあける

フォークで生地の底に穴をあける。型ごとラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませる。

生地に穴をあける

生地に穴を開けて、冷やすことで焼き縮むのを防ぎます。「心配性の方ほど、たくさん穴をあけてしまいます(笑)」と森崎さん。

10 アーモンドクリームをつくる

アーモンドクリーム用のバターと粉砂糖をボウルに入れ、泡立て器ですり混ぜる。溶き卵を4回〜5回にわけて加え、その都度クリーム上になるまでよく混ぜる。

バターに粉砂糖と卵を加える
バターに粉砂糖と卵を加える

バターと卵を混ぜてもクリーム上にならなければ、後で加えるアーモンドパウダーから大さじ1を加えると良いでしょう。

11 クリームを休ませる

アーモンドパウダーをすべて加えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる。ボウルにラップをして、冷蔵庫で15分ほど休ませる。

クリームを休ませる
クリームを休ませる

冷蔵庫で休ませることで余分な空気を抜き、焼き上がりに空洞ができないようにします。

12 アーモンドクリームを入れる

9で冷やしておいたタルト台に11のアーモンドクリームを入れ、ゴムベラで表面をならす。

アーモンドクリームを入れ、表面をならす

13 オレンジを並べる

オーブンを180度に予熱しておく。2のオレンジを螺旋状になるようにして、アーモンドクリームの上に並べて、中心は半月型のオレンジをさらに4等分に切り分けて、敷き詰める。

オレンジを並べる
オレンジを並べる

オレンジを並べるときは、きちんと水分が取れているか確認を忘れずに!うずを描くように並べて、敷き詰めましょう。

14 焼き上げる

180度に予熱したオーブンで50分焼きあげる。

焼き上げる

オーブンにはそれぞれ熱の入り方にクセがあります。焼き色が強いところ、弱いところがあったら、途中で天板の前後左右を入れ替えると、まんべんなく焼き色がつきますよ。

15 型から外す

オーブンから取り出したタルトは、型の底を抜いてそっと外す。網の上などに乗せて、粗熱が取れたらでき上がり!

タルト

ココットなどに型をのせて、底を抜きます。底はナイフなどでこそぐと、きれいに取れますよ。

タルト生地はこんがり、アーモンド生地はふっくら、フルーツはほどよくジューシー。これが焼きっぱなしタルトの大正解!

「タルトを切りわけるときもちょっとしたコツがあります。切り分ける箇所を決めたら、ナイフでカリカリと印をつけて、ザクっと一気に切りましょう!」

ためらうと、断面が欠けてしまうそうです。皿に盛り付けるまで、気を抜いてはいけませんよ!

教える人

森崎繭香

森崎繭香

1976年、横浜生まれの八王子育ち。お菓子・料理研究家/フードコーディネーター。料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、ラジオ・テレビ出演など幅広く活動中。身近な材料を使った自宅でもつくりやすいレシピを心がけている。2019年には、人と犬が一緒に食べられる無添加おやつとごはんのオンラインショップ「one's daily」をオープン。著書に『型がなくても作れるデコレーションケーキ』(グラフィック社)、『小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ』(日東書院本社)、『米粉で作る うれしい和のおやつ』(立東舎)。最新刊は『はじめてでもおいしくできる! おうちおやつ』(文化出版局)。

――つづく。

文:長嶺李砂 写真:公文美和

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長嶺 李砂(ライター・編集者)

1984年、青森県十和田市生まれ。子供時代の夢だったパティシエになるも紆余曲折、今は主に書籍を手がける編集者。食や暮らしにまつわる企画に関わることが多い。『スパイスでおいしくなるand CURRYのカレーレッスン』(立東舎)、『2LDK、5人家族。』(光文社)、『5つの味つけ黄金比』(学研プラス)、『おつかれさまスープ』(学研プラス)などの編集に携わる。東京都・若林にある青森の地酒と郷土料理の店『酔処みね』で、木曜日に働いています!