『手ほどきdancyu 家庭の和食いろは』シリーズ、ラストの『基本のは』は、副菜を中心とした一冊。その中から、いんげんの胡麻和えを紹介します。 昔ながらの胡麻和えのつくり方、知っていますか?
いんげんの胡麻和えって、特別、子どもに人気のあるメニューではありませんよね。でも、大人になるにつれて、沁みる味です。いんげんの独特の歯ごたえを楽しんでいると、胡麻の香りが口中に広がります。たくさんつくって毎日食べても、飽きない味です。
『手ほどきdancyu 基本のは』は、ほうれん草のお浸しやきんぴら、ひじきの炒め煮などの乾物・野菜を使った副菜を中心に、汁物、春夏秋冬の野菜・魚介料理まで充実の内容です。胡麻和えと同じく、どれも、大人になればなるほど、旨い味。シンプルなレシピが中心ですが、この胡麻和えは、レシピ作成者の大庭英子先生の「本来の味を知っていて欲しい」という気持ちから、胡麻を煎り、すり鉢でする昔ながらのレシピになっています。もちろん、すり胡麻を使用しても大丈夫。でも、一度つくってみてください。本当に本当に、おいしいから。
いんげん | 150g |
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塩 | 小さじ1/5 |
白胡麻 | 大さじ4 |
砂糖 | 小さじ1 |
醤油 | 大さじ1 |
だし汁 | 大さじ1 |
たっぷりの熱湯に、塩を入れる。いんげんの1/2量入れて混ぜ、再び煮立ってきたら、そこから2分ほどゆでる。
ザルに取り出して、そのまま冷ます。「丘上げ」といい、水にさらすよりも水っぽくならず、香りも残る。残りも同じ鍋に入れて同様にゆでて、冷ます。
いんげんが冷めたら、ヘタを切り落として、長さ3cmに切る。
鍋に胡麻を入れて弱めの中火で温めるように煎る。少し香りがしてきたら、すり鉢に入れて、すりこ木で半分くらい粒が残る程度までする。
4のすり鉢に砂糖、醤油、だし汁を加えて和え衣をつくる。だし汁を入れると醤油の量が控えられて、まろやかに。いんげんも加えて和える。
シンプルながら失敗なくつくれるレシピに定評がある料理研究家。特別な素材、調味料は使わず、余分な手間はそぎ落とした"引き算の料理"が身上。今回の『手ほどきdancyu』シリーズには長年培ってきた大庭先生の料理の知恵がぎゅっと詰まっています。
『基本のい』『基本のろ』『基本のは』が揃いました。新年度、ぜひ、基本をおさらいして、毎日の夕食に楽しさと彩りを。
撮影:鈴木泰介/原ヒデトシ