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"豚ロースとほうれん草のチャーハン"の奥義は肉の下焼きにあり!

"豚ロースとほうれん草のチャーハン"の奥義は肉の下焼きにあり!

がっつり濃厚な豚肉も、焼いて脂を落とせば上品で軽やかに。“ごはんだけではなく、豚肉も弱火で焼く”という新たな技とともに、“豚ロースとほうれん草のチャーハン”のレシピを紹介します。

豚肉の脂を落としてクリアな味に!

今回のレシピのポイントは、豚肉の焼き方に関しての新常識。
ここでも弱火の力を使います。
豚肉を広げたフライパンを弱火にかけ、上下を返しながら焼いたあとに、ペーパーに取り出して余分な油と水分を切る。
この下焼きの技を使うことにより豚肉の臭みは押さえられ、クリアな味に。
また、あらかじめ火を通しておき、あとから加えることで豚肉がジューシーでやわらかに。
しっとりふっくらなごはんとからんで、軽やかでつい夢中で頬張ってしまいます!

“豚ロースとほうれん草のチャーハン”のつくり方

材料材料 (1人分)

温かい白ごはん150g
豚ロース肉60g(薄切り、またはこま切れ)
ほうれん草30g
長ねぎ20g
サラダ油適量
胡麻油小さじ1(5g)
オイスターソース小さじ1(5g)
1.4g

具の下ごしらえ

長ねぎは細かいみじん切りにする。ほうれん草は根元を落とし、茎と葉を分け、それぞれ幅2㎝に切って別々にしておく。豚ロース肉は1.5㎝角の色紙切りにしておく。

ごはんの下ごしらえ

冷やごはんはレンジなどで温める。温かいごはんをざるに入れ、水を大さじ3~4杯(分量外)をかけてごはんをほぐす。サラダ油を大さじ2程度かけて全体に混ぜてなじませる。

1 豚肉を弱火で焼く

フライパンにサラダ油を薄くひき、豚肉を入れて広げる。弱火にかけ、上下を返しながら焼き、赤いところがなくなったらペーパーに取り出して油と水分を落とす。

豚肉の余分な脂を落とすことで臭みが取れ、上品な味わいに仕上がる。
豚肉の余分な脂を落とすことで臭みが取れ、上品な味わいに仕上がる。

2 ごはんを弱火で炒める

1のフライパンをキッチンペーパーできれいにふき、下ごしらえをしたごはんを入れる。弱火にかけ、ヘラでごはんを切るようにほぐしながら混ぜ、3~4分炒める。

下ごしらえでごはんを油でコーティングしているので、フライパンの豚肉の脂をふき取っても油分が足りなくなる心配はない。
下ごしらえでごはんを油でコーティングしているので、フライパンの豚肉の脂をふき取っても油分が足りなくなる心配はない。

3 ねぎとほうれん草と豚肉を加えて炒める

ごはんがパラパラしてきたら中央にスペースをつくり、長ねぎを入れて軽く炒める。香りが立ってきたら、全体を混ぜてからませる。ほうれん草の茎を入れて、ごはんを切るように混ぜながら2分ほど炒める。さらにほうれん草の葉と1の豚肉を入れてさっと混ぜる。

火の通り方が異なるほうれん草の茎と葉を、時間差で加えて炒めるのがコツ。
火の通り方が異なるほうれん草の茎と葉を、時間差で加えて炒めるのがコツ。

4 調味料を加えて炒める

再度、フライパンの中央をあけてオイスターソースを入れ、塩を全体にふりかける。ヘラで全体を混ぜながら3分ほど炒める。

最初の豚肉の下焼きから、レタスを混ぜ炒めるまで弱火をキープする。
最初の豚肉の下焼きから、レタスを混ぜ炒めるまで弱火をキープする。

5 胡麻油を加えて仕上げる

全体にまんべんなくからまったら、中火にする。もう一度、中央にスペースをつくり、胡麻油を入れる。全体に胡麻油を回しからめながら、香ばしくなるまで30~40秒炒める。

コクのある味わいはオイスターソースの賜物。
コクのある味わいはオイスターソースの賜物。

――つづく。



教える人

水島弘史

水島弘史

フランスで料理を学び、帰国後はレストランで腕を振るう一方、科学的調理理論を構築する。2010年より麻布十番で「水島弘史の料理教室」を開催。予約開始時間ぴったりに申し込んでも、予約ができないこともあるほど人気ぶり。最新刊に『読むだけで腕があがる料理の新法則』(ワニブックスPLUS)がある。

技ありdancyu『チャーハン』
技ありdancyu『チャーハン』
初心者向きのフライパンで炒めるものからプロの新しい味の提案まで全27皿の、詳細なつくり方を紹介。
A4変型 判( 80 頁)
ISBN: 9784833476225
2017年8月29日発売 / 864円(税込)

写真:平松唯加子