スペインには「バル」文化がある。朝はカフェ、昼や夜はちょっと料理をつまんだり、 酒を飲めるカフェとバーを融合したような空間だ。 なかでも美食の街、サン・セバスチャンには人気のバルが立ち並ぶ。第2特集では、本場のバルを巡り、その美味しさや楽しみ方などを探ってみた。さらに名店バルのレシピもご紹介。
「San Marcial(サン・マルシアル)」は35年前、別のバルで働いていた男たち4人が集まって開いたローカルなバル。今ではすっかり渋みを増したマスターたちが提供するのは、クラシックなピンチョスの数々だ。チャコリ(バスク地方の微発泡白ワイン)もピンチョスも、ほぼ1.9ユーロで統一されているのは「計算しやすいから」なのだとか。
じゃがいも、ピーマン、卵、海老、アンチョビ、オリーブ、ハモン......といったバスクの定番食材がさまざまな組み合わせや調理法で七変化するのが、伝統的なピンチョスの面白さ。そんなクラシックな料理を得意とする「サン・マルシアル」で教わった“海老と卵のせトースト"(スペイン語で“トスタ・デ・ウエボ・イ・ガンバス”)のレシピをご紹介。
バゲット | 1枚(厚さ1cmのスライス) |
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アンチョビ | 2枚(フィレ) |
ゆで卵 | 2枚(スライス) |
海老 | 1尾(ボイル) |
ゆで卵 | 適量 |
マヨネーズ | 適量(自家製) |
スライスしたゆで卵の上に具材をのせ、その上にチーズおろし器でゆで卵をふわふわにすりおろすアイデアが斬新 ! 定番食材の食感を変えて、見た目を華やかにしたり、食感を変化させるのも、バルならではのテクニックだ。
1984年にスペインはバスク地方のサン・セバスチャンで「サン・マルシアル」をオープン。現在も店に立ち、元気に店を切り盛りしている。手頃な料金で、伝統的なバスク料理を楽しめるバルとして人気が高い。
サン・セバスチャンのバル案内や、レシピ、そして本場のバルで使える実践基礎知識などをご紹介したdancyu2月号をぜひご覧ください!
文:大沼聡子 写真:伊藤徹也 編集協力:大山由美