心ふるえる酒2026
【酒よし肴よしの新名店 三軒茶屋「せきらら」】市場直送の地場野菜と30種を超える県産の日本酒。究極の"秋田推し"居酒屋

【酒よし肴よしの新名店 三軒茶屋「せきらら」】市場直送の地場野菜と30種を超える県産の日本酒。究極の"秋田推し"居酒屋

2026年日本酒dancyu「出会えてよかった!心ふるえる酒」特集では、選りすぐりの日本酒を、気の効いた料理と共に味わえる注目の新店をピックアップ。今回は三軒茶屋「せきらら」をご紹介します。

大衆酒場のような使い勝手と居心地の良さ

個性的な酒場が密集する三軒茶屋・太子堂エリア。その中でも2025年7月にオープンした「せきらら」は、秋田の市場から直送される地場野菜をふんだんに使った料理と、秋田県内の酒蔵だけに絞った日本酒のラインナップで異彩を放つ居酒屋だ。

「せきらら」の看板
三軒茶屋駅を出て茶沢通りを太子堂方面に進み、薬局が2軒並ぶ路地を左に入ると「せきらら」の看板と縄のれんが見える。
オープンキッチンを望むカウンター席と奥にあるテーブル席
オープンキッチンを望むカウンター席と奥にあるテーブル席の全26席を用意。一人飲みからグループでの宴会まで幅広く対応する。

店に訪れる客の多くが注文するのが、日替わりのおばんざいをあれこれ食せる“あふれる野菜の6種盛り”。素材の風味を引き出した、シンプルでいて心が華やぐような味わいだ。秋田の酒になじみがなくても、店長の藤野廉さんらスタッフに聞けば、常時30種以上揃える中から好みに合わせてお薦めの一本を提案してくれる。

あふれる野菜の6種盛り
あふれる野菜の6種盛りは、日替わりのおばんざいからおまかせで提供。左上から時計回りに、三関せりととろ湯葉出汁醤油掛け、鳥海なめこの味噌煮とほうれん草、オレンジ白菜とキャベツの鼈甲煮、山内いものこ共和え、山内人参の松前漬けと京水菜、フルーツトマト土佐酢漬け金柑白和え。1,800円。
日本酒
日本酒は秀よし、刈穂、飛良泉、福小町、大納川など、すべて秋田の酒蔵のもので常時30種ほど揃える。「秋田は水がきれいで旨口の酒が多いと思われがちですが、意外と辛口も多いんですよ」(オーナー・池上善史さん)。日本酒一合1,000円~。

「ここで働き始めてから飲むようになったのですが、秋田の酒は知れば知るほど味が幅広い。爽やかな香りのある辛口『刈穂』吟醸酒 六舟や、軽快さと旨味のバランスがいい『田从(たびと)』など、飲んで欲しい酒がたくさんあります!」(藤野さん)

河豚と蕪葱揚げ出し
河豚と蕪葱揚げ出し。身がふっくらとしたフグの唐揚げとほくほくの蕪の美味しさはもちろん、もう一つの主役がたっぷりのった“秋田美人ねぎ”。柔らかな歯ざわりとやさしい甘味が特徴だ。1,080円。

渋谷「きんぼし」ほか都内で3店舗を営むオーナーの池上善史さんは、妻の実家が秋田で青果店を営んでいたことから、秋田産野菜の旨さと深い魅力を知る。
「この店では郷土料理をやりたいわけではなく、京料理にも通じるおばんざいで、秋田の野菜の美味しさを皆さんに伝えたいと思ったんです」(池上さん)

刺身盛り合わせ
刺身盛り合わせ。この日の魚は本マグロ(鹿児島)、〆鯖(長崎)、アオリイカ(青森)、ブリ(北海道)、真鯛の炙り(兵庫)の5品に牡丹海老(北海道)が付き、2人前で2,580円。
三関せりと生姜つくねのしゃぶしゃぶ
三関せりと生姜つくねのしゃぶしゃぶ。秋田県・三関地域の伏流水で育ったせりを、鰹と昆布のだしでさっと火を通す。根の風味とシャキッとした食感が秀逸だ。鶏つくねやきりたんぽも入って食べごたえあり。冬季のみ提供。

野菜料理以外にも、魚料理から肉豆腐や揚げ物、さらにはあきたこまちの土鍋めしやあて巻き、稲庭うどんといった締めの一品までメニューは多彩で、使い勝手も抜群だ。楽しく飲み食いしているうちに、いつの間にか秋田の酒と野菜の味わい深さに惹かれていた。

オーナーの池上善史さん(左)と、店長で料理の統括を手がける藤野廉さん
渋谷「きんぼし」や学芸大学「びゃく」も経営するオーナーの池上善史さん(左)と、店長で料理の統括を手がける藤野廉さん。秋田LOVEにあふれています!

店舗情報店舗情報

せきらら
  • 【住所】東京都世田谷区太子堂4-27-3
  • 【電話番号】03-5787-6857
  • 【営業時間】17:00~23:00(L.O.) 土曜は16:00~ 日祝は16:00~22:30(L.O.)
  • 【定休日】不定休
  • 【アクセス】東急田園都市線ほか「三軒茶屋駅」より5分
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A4変型判(160頁)
2026年2月5日発売/1,800円(税込)

文:宮内 健 撮影:三東サイ

宮内 健

宮内 健 (編集者、ライター)

1971年、東京生まれ。音楽誌『bounce』『ramblin'』編集長を歴任し、フリーランスの音楽ライター、編集者として長らく活動している。2010年以降「食」や「酒」に関してもテリトリーを広げ、2018年から2024年まで『dancyu』編集部に在籍。数々の特集記事の企画編集や執筆を手掛けた。

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