
2026年日本酒dancyu「出会えてよかった!心ふるえる酒」特集では、選りすぐりの日本酒を、気の効いた料理と共に味わえる注目の新店をピックアップ。今回は三軒茶屋「せきらら」をご紹介します。
個性的な酒場が密集する三軒茶屋・太子堂エリア。その中でも2025年7月にオープンした「せきらら」は、秋田の市場から直送される地場野菜をふんだんに使った料理と、秋田県内の酒蔵だけに絞った日本酒のラインナップで異彩を放つ居酒屋だ。


店に訪れる客の多くが注文するのが、日替わりのおばんざいをあれこれ食せる“あふれる野菜の6種盛り”。素材の風味を引き出した、シンプルでいて心が華やぐような味わいだ。秋田の酒になじみがなくても、店長の藤野廉さんらスタッフに聞けば、常時30種以上揃える中から好みに合わせてお薦めの一本を提案してくれる。


「ここで働き始めてから飲むようになったのですが、秋田の酒は知れば知るほど味が幅広い。爽やかな香りのある辛口『刈穂』吟醸酒 六舟や、軽快さと旨味のバランスがいい『田从(たびと)』など、飲んで欲しい酒がたくさんあります!」(藤野さん)

渋谷「きんぼし」ほか都内で3店舗を営むオーナーの池上善史さんは、妻の実家が秋田で青果店を営んでいたことから、秋田産野菜の旨さと深い魅力を知る。
「この店では郷土料理をやりたいわけではなく、京料理にも通じるおばんざいで、秋田の野菜の美味しさを皆さんに伝えたいと思ったんです」(池上さん)


野菜料理以外にも、魚料理から肉豆腐や揚げ物、さらにはあきたこまちの土鍋めしやあて巻き、稲庭うどんといった締めの一品までメニューは多彩で、使い勝手も抜群だ。楽しく飲み食いしているうちに、いつの間にか秋田の酒と野菜の味わい深さに惹かれていた。


文:宮内 健 撮影:三東サイ