
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!第57回は、「バナナケーキ」で親しまれている「田村町木村屋」の隠れた逸品、「リーフパイ」です。

手土産を選ぶとき、喫茶でケーキを頬張るとき、仕事で新橋や内幸町に降り立ったとき。気づけば、立ち寄ることの多い「田村町木村屋」。
その歴史は想像以上に長い。
明治33年(1900年)、あんぱんで知られる「木村屋總本店」からのれん分けし、現在の新橋1丁目でパンの製造・小売店として開業。かつてこの一帯が田村町という地名だったことから、「田村町木村屋」の屋号をもつ。
現代では「バナナケーキ」で親しまれる老舗洋菓子店だが、倶楽部メンバー・てぃんさんが教えてくれた「リーフパイ」も、隠れた逸品。極薄い生地を丁寧に折り重ねたリーフパイは、サクサクと軽く、ふかっと膨らんだ層の奥までバターの香りに満ちている。

リーフパイのみのセットは通常店頭には並んでおらず、個別に相談すれば用意も可能だという。とはいえ、詰め合わせで手に取ったことで、もうひとつの定番に出合えたのはうれしい誤算。
50年以上愛される、まあるい形のマドレーヌである。派手さや目新しさに媚びることなく、有塩バターを使用した素朴な生地が、ただただおいしい。
銘品「バナナケーキ」はもちろん、メレンゲと有塩バターによってコクと軽さが共存する「バタークリームケーキ」など、生ケーキは午後早めに売り切れてしまうこともある。
これからは焼き菓子の存在にも後ろ髪引かれ、近くにいれば立ち寄らずにはいられない。「田村町木村屋」はいつなんどきも、素通りできない店なのだ。



文:藤井存希 写真:MURAKEN