
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!倶楽部メンバーに「夏に食べたいおやつ」を教えてもらいました。第29回は、歌舞伎座タワー地下2階ではオリジナルボックスが買える、「山田屋」の「山田屋まんじゅう」です。
漉し餡の上品な甘さを表す薄い小豆色を、透かすように極薄い皮で包んだ一口まんじゅう。わずか22gという小さな容姿からは想像できないほど、その一口には層をなす深い味わいがある。
口に放った瞬間の滑らかさから、十勝産のこっくりと上質な餡子が広がり、甘みは惜しいほどにスゥッと消えていく。
一つ、さらに一つと手が止まらぬ甘美な味わいを作り出したのは、慶応三年創業の「山田屋」。愛媛県は宇和に本店を構え、一子相伝でこの「山田屋まんじゅう」を継いできた。
北海道十勝産の良質な小豆を100%使用し、丹念に練り上げた漉し餡、透き通るように極極薄い皮も、すべてに手間のかかる昔ながらの秘伝の製法がものをいう。
この時期は、倶楽部メンバー・ルロワさん曰く、「冷凍庫で冷やして」いただくのもお薦め。薄皮はシャリっと、中の餡はひんやりと、冷やし汁粉のような涼しげな味わいが愉しめる。
また、映画『国宝』の人気であらためて盛り上がりを見せている「歌舞伎座」では、10個入りの限定パッケージも。小さくも風格をまとった、他にない一口まんじゅうである。
文:藤井存希 写真:MURAKEN
全国販売されていますが、歌舞伎座で取り扱う、「歌舞伎座」の表記がされた化粧箱は、観劇のお土産にもピッタリ。中村獅童丈がこちらのおまんじゅうを幕間に好んで召し上がっていたことが歌舞伎座で取り扱いを始めたきっかけなのだそう。
お薦めの食べ方は、おまんじゅうを包装ごと(箱ごとでもOK)、冷凍庫で冷やして食べます。冷凍しても中の餡までは凍らないので、こし餡のシャリっとした食感と優しい甘さが、夏の氷菓子として爽やかな味わいです。