
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!倶楽部メンバーに「年末年始に食べたい美味しいおやつ」を教えてもらいました。第40回は、「東京三大かりんとう」の一つとして知られ、素朴な甘さとカリッとした歯ごたえで、一度食べ始めると手が止まらなくなる「たちばな」の「かりんとう」です。
新年の挨拶や帰省土産にも相応しい“東京土産”とは、どんなものだろう。
都内はニューオープンや話題のスイーツなどには事欠かないが、和菓子の老舗や洋菓子の名店を探しても、年をまたいで日持ちする逸品には、なかなか出合えない。
そんなとき頼りになるのが、明治42年(1909年)創業で銀座の街に100年以上根付く「たちばな」。
浅草「小桜」、湯島「花月」と並び、「東京三大かりんとう」としても知られるが、唯一オンラインショップをもたず、買えるのは銀座の店舗のみ。百貨店にも出店せず、小さな間口の店内ではかりんとうのみを販売するという、孤高の存在である。

伝統製法によって作られる「たちばな」のかりんとうは、細い「さえだ」と太い「ころ」の2種類のみ。黒砂糖ではなく白砂糖ベースの糖蜜でコーティングされているため、ツヤツヤと黄金色に光り輝いている。
「さえだ」は細いぶん内側まで蜜が染み込み、サクッと軽い歯応えと品のある甘みのバランス感が絶妙。太めの「ころ」は、ザクザクッと香ばしさに続き、小麦粉の風味と優しい甘さが凝縮されて感じられる。
特筆すべきは、朱色が華やかな丸缶入り。包装紙と同様、橘(タチバナ)の花のイラストが一色で描かれた丸缶は、無条件に漂う風格を備え、新年の挨拶に携えれば見栄えすること間違いなし。
また、賞味期限は購入日から約2ヶ月と長く楽しめるため、帰省の手土産などにも喜ばれる、まさに東京を代表する銘菓と呼ぶにふさわしい。

文:藤井存希 写真:MURAKEN
お持たせでも喜ばれます。