日本おやつ図鑑
【南青山・夏季限定の美味】目で、喉で、涼をとる。向田邦子も愛した、夏の風物詩『菓匠 菊家』の「水羊羹」

【南青山・夏季限定の美味】目で、喉で、涼をとる。向田邦子も愛した、夏の風物詩『菓匠 菊家』の「水羊羹」

食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!倶楽部メンバーに「夏に食べたいおやつ」を教えてもらいました。第28回は、骨董通り沿いの“菊家ビル9階”にひっそりと店を構える、「菓匠 菊家」の「水羊羹」です。

“水羊羹評論家”として、故・向田邦子さんもこよなく愛した逸品

水羊羹
スンと立った角もおいしさの証。水羊羹(1個 460円)は、9月上旬までの限定販売。賞味期限は要冷蔵で当日。

晩夏の名残りとともに紹介したい、風情を感じる逸品。

故・向田邦子さんがこよなく愛したとされる、「菊家」の「水羊羹」である。著書「眠る盃」の一節では、自らを水羊羹評論家として、こちらの水羊羹への向き合い方から味わいに至るまで並々ならぬこだわりをもって、語られている。

スプーンを入れると、スッと滑り落ちるような触感は、みずみずしい口あたりを期待せずにはいられない。口に運べば、小豆の上品な風味とともに、なめらかな喉越しで満たされていく。

水羊羹は夏季限定で、毎年、桜の青葉を添えることができる9月上旬までの販売。聞けば、「菊家」ではほかの和菓子の餡とは別で、この時期限定の水羊羹用に餡子をこしらえているそうで、丹念な作業が逸品たる所以であろう。

水羊羹
こちらは、発送可能なケース入り。1ケース 1,460円。
水羊羹
ケースサイズは、10cm×10cm×3cm。

青山の一等地で生まれた、ケース入りの水羊羹

青山・骨董通り沿いのビル9階に構える「菊家」は、昭和7(1932)年の創業。水羊羹はもともと店頭で1個ずつのカットタイプのみを販売していたところ、近所に住まうお客さまが、水羊羹を入れるためのボウルやタッパーを持ち込むことが多く、切り分ける前のケース入りが誕生したという。

青山という一等地にも関わらず、粋なストーリーを生みだした水羊羹。風情ある姿に思いを馳せ、涼を感じてみてはいかがだろうか。

包装
「水ようかん」と描かれたパッケージは、ケース入りタイプ。
包装
店頭販売分は、上品な紫色のリボンをかけた包装。

食いしん坊倶楽部メンバーからはこんな声が!

naomiさん
naomiさん
和菓子はあまり得意ではないのですが、こちらの商品は別格です。中でも水羊羹は、そんな私でも思わずペロリと食べてしまい、もう一切れ欲しくなるほどの美味しさ。切れのよい甘さに喉越しの軽やかさ、後味には上品な小豆の風味が広がり、大好きな一品です。言わずと知れた和菓子の銘店である菊家さんですが、向田邦子さんにも愛された逸品としても有名ですよね。著書の「眠る盃」や「向田邦子 暮しの愉しみ」でも取り上げられています。お店に伺えるのであれば、桜の葉付きのカット販売も風情があって良いですし、ケース入りはお取り寄せにも便利。自分用に贅沢にケース食べするのもおすすめですが、すっきり優しい味わいなので、性別や世代を問わず喜ばれる贈り物になると思います。

店舗情報店舗情報

菓匠 菊家
  • 【住所】東京都港区南青山5‐13‐2 9F
  • 【電話番号】03‐3400‐3856
  • 【営業時間】9:30〜17:00(売り切れ次第閉店)
  • 【定休日】日曜・月曜・祝日
  • 【アクセス】東京メトロ「表参道駅」より5分

文:藤井存希 写真:MURAKEN

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