
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「dancyuおやつ倶楽部」で、メンバーから寄せられた美味しいおやつをご紹介!倶楽部メンバーに「鉄板の手土産」を教えてもらいました。第18回は、お酒のつまみとしてもお薦めしたい、「謝花きっぱん店」の「冬瓜漬」です。
「日本おやつ図鑑」では初登場となる沖縄菓子にして、琉球王朝伝統銘菓。一見すると、古典的な砂糖漬け菓子にも思えるが、その食感はシャクッ、シャクッと、今まで出合ったことがない果実のように、新鮮な歯応え。噛み締めるためにジューシーな甘みも感じられ、「これが冬瓜?」とあらためて目を見張った。
今回紹介する「冬瓜漬」は、約300年前に中国の福州から沖縄に伝わったとされ、中国王朝から派遣された冊封使の沖縄来島時の饗応料理、御冠船料理の献立でも供された記録が残る。
明治以降に一般の人も口にできるようになった菓子だが、代々伝わる昔ながらの製法で「冬瓜漬」を作るのは、現在では那覇市内の「謝花きっぱん店」だけだそう。
お茶に合わせれば和菓子の格式する感じるが、推薦してくれた倶楽部メンバーのcaorineさんからは、「チーズと合わせてワインのつまみにも」と、興味深い提案も。
ブルーチーズやクリームチーズなど濃厚な味わいのものに合わせてみたところ、甘塩っぱい味わいが後を引き、ワインの手が止まらぬ神アテに昇格。これは日本酒にも伴走するに違いない。
和にも洋にもフィットする、自由度の高い琉球王朝伝統銘菓、ぜひご賞味あれ。
文:藤井存希 写真:MURAKEN