
北海道・滝本農場の有機栽培ホワイトアスパラガス。甘味とシャキシャキ感、豊かな香りが特徴です。農薬不使用、自然の恵みを凝縮した美味をお届けします。
一目見ただけで、その純白さ、姿の美しさに心を奪われる滝本農場の「有機栽培アスパラガス」。
もちろん、味わいも逸品。驚くほどの甘味と、シャキッとした心地よい歯ごたえ、口いっぱいに広がる、瑞々しく濃厚なアスパラガス本来の香りが特徴だ。
この格別な美味しさの秘密は、滝本農場が位置する特別な環境にある。
滝本農場のある赤井川村は、小樽から車で1時間ほどのところにある。外輪山の峠を越えると、そこには広大なカルデラが広がっている。カルデラの冬は厳しく、2メートルの豪雪と氷点下20度の厳寒。キタキツネ以外には動くものが消えたと思う世界だ。
この厳しい寒さは土地の病害虫を殺してくれる。さらに村を囲む外輪山が下界との空気と水を遮断するので、環境汚染もきわめて少ない。
280平方キロメートル(2億8千万平方メートル)の広大な大地に、1300人ほどの村民。まさに手付かずの大自然と言える。
こんな自然環境が有機ホワイトアスパラガスを生み出すのだ。
赤井川村の開墾に入ってから数えて3代目の滝本和彦さんが有機認証を取ったのは2001年。
実際は1995年から有機栽培(化学肥料と農薬を使用しない)を始めたので、既に約30年、滝本農場では一切の農薬も化学肥料も使っていない。
滝本農場ではアスパラを植えてから2年間、まったく収穫がない。3年目はわずかに1週間だけ、それも太いものを少しだけ収穫。4年目は2週間から長くても3週間しか収穫しない。こうして、アスパラガスの地下茎を大きく育てていくのだ。
5年目以降、ようやく普通の収穫(1ヶ月〜1ヶ月半)ができるようになる。
アスパラガスの栽培寿命は7〜8年と言われているが、滝本農場では10年以上経った株でも立派なアスパラを生んでいる。
アスパラガスの尻の方の皮を、包丁と指で挟んで、穂先に向かってはぐと、皮の硬い部分だけがむけるので、これだけでOK。むいた皮は捨てないで、茹でる時にお鍋に入れると、より、ホワイトアスパラの香りが際立つのでお薦め。
ひたひた程度のお水を沸かし、好みで塩・レモン汁を入れ、ホワイトアスパラを入れ、再度沸騰したら、1分前後で取り出す。茹で汁は後で使うので捨てない。太いのもこれで十分。細いのは少し早めに火を止め、くれぐれも、茹で過ぎに御注意。あくはほとんどないので、あく抜きの必要はない。火を止めてから、ふたをしたままで冷ます。冷ます間に味と香りが深まる。
保存する場合、冷めたホワイトアスパラガスを茹で汁ごと容器に移して冷蔵。二日目・三日目と味が変わっていくが、それはそれで美味だ。先ず到着日に必ず下ごしらえまでをしておくのがコツ。
そのままでも十分に美味なのが滝本さんのアスパラガス。下茹でしたアスパラをソテーしたり、シンプルにマヨネーズなどのソースで頂くのがいちおし。
炭火が用意できれば、皮をむかないで、少しこげるくらいまで焼いて、焼けた皮をむきながら、ホクホクを食すのは超美味。少しの塩をつけるだけでご馳走だ。
雑味がなく、どこまでもピュアで生命力にあふれた味わいは、まさに自然からの贈り物。
まずはシンプルに塩茹でやグリルで、素材そのものの豊かな風味を存分にご堪能あれ。
文:(株)食文化 萩原章史 写真:八木澤芳彦