
新しい定期購読プラン「dancyuプレミアムおとりよせ」で入手できる、稀少な食材を紹介します!今回は、家康の最後の晩餐の主菜だったと伝えられる白甘鯛、それを贅沢に干物にした「宇和海の白甘鯛の干物」です。身は甘く、旨味の宝庫!脂の質も抜群に良い!
新しいスタイルの定期購読が夏号より始動します!内容はdancyu本誌が年4回届き、さらに厳選した四季折々の食材をお取り寄せできるというもの。誌面では食材の背景、おいしい食べ方をご紹介します。サービスが開始されるのは次回の夏号の予定ですが、今号ではそのお試しとして、一回限りのお取り寄せを楽しんでいただけます。
今回は食材(1種類)にdancyu(3/6発売の春号)が1冊付くセットを販売。食材はお試し価格で5種類ご用意しています。ここでしか手に入らない貴重な食材と、新しいdancyuをお楽しみください!
京都を中心に関西方面で『ぐじ』と呼ばれる赤甘鯛。中でも、若狭ぐじと言えば、高級魚の代名詞と言えるほど市場価格は高い。しかし、白甘鯛はそのレベルではない。白甘鯛は別格の高級魚=非常にレアで美味な魚なのだ。
白甘鯛は他の甘鯛より浅い泥底や砂泥底に巣穴を掘って生息している。非常に美味で、漁場が浅いため、古より漁師に狙われ、準幻級の魚となっている。その白甘鯛が20トン前後も水揚げされるのが宇和海。赤甘鯛より、白甘鯛の方が数倍も獲れている。
晩年の家康は駿府城で薬学とグルメ三昧だったと言われている。死因は胃がんと考えられているが、最後の食事に興津鯛の天ぷらを所望したと伝えられている。当時の漁法では、深い海の魚を獲ることは難しかったから、きっと浅い海の白甘鯛がお気に入りだったはずだ。実際、今でも白甘鯛を開いて、絶妙な塩梅で干した干物は興津鯛として珍重されている。細かい鱗も皮も身も抜群に旨い。
白甘鯛は生でも、揚げても、焼いても、どんな料理でも旨いが、鮮魚は下拵えに手間が掛かる。そこで、今回は豊洲市場場内の仲卸が干物に加工して、急速冷凍した企画。いつでも簡単に家康一押しの美味を味わえる。まさに、一般入手困難な干物だ。
白甘鯛の皮と鱗のぬめりを取り除き、背開きにし、内臓を丁寧に取り除く。脊髄に水を通し、血抜きも完璧にする。塩をほどこし、20度の乾燥機で2時間掛けて、白甘鯛をシンプルに味わえる干物に仕上げる。ぬめりと血を徹底的にとり、雑味とは無縁だ。
ガスの魚焼きグリルでも、電気の魚焼きグリルでも、干物だから簡単に焼ける。もちろん、炭火を操れれば最高だ。白甘鯛は鱗と皮も非常に美味!皮が焦げる一歩手前の焼き上がりを心がければ良い。焼き過ぎは厳禁。兜は2度焼きして、骨酒も旨い!
文:萩原章史 撮影:八木澤芳彦