「dancyu食堂」では12月4日(水)~17日(火)まで、福島名産の川俣シャモなど、福島県のご当地食材を使ったスペシャル定食を提供するとともに、すべての定食のお米を福島県産の「天のつぶ」に。さらに、定食を食べた方を対象に抽選で福島のお米が当たるキャンペーンを実施します。
新茶、新そばなど、とかく新物に目がない日本人だが、新米への期待は別格だろう。穫れたてのお米ならではのツヤと瑞々しい味わいに「日本に生まれてよかった〜」としみじみ感じる人は多いはず。
各地の新米が出そろうこの時季、味わってほしいのが福島のお米だ。北海道と岩手県に次ぐ広大な面積を誇る福島県は、全国屈指の米処として名をはせている。旨いお米が穫れるのは、稲作に適した条件を備えているため。気候はその一つで、稲が育ち穂を実らせる7月から9月までの昼夜の寒暖差が大きいのが特徴だ。日中にたっぷり太陽光を浴びた稲は甘味のもととなるデンプンを豊富につくり、冷え込む夜にその栄養を蓄える。これにより、甘味があってもっちりとしたお米になるというわけだ。さらに清らかな水の恵みや肥沃な大地もお米の味わいに直結。毎年発表される日本穀物検定協会による「食味ランキング」でも、最高評価の「特A」を数多く受けている実績が示すとおり、福島のお米は高い品質を維持している。
一方、阿武隈高地、奥羽山脈、越後山脈という秀峰が南北に伸びる福島は、地域ごとの風土も個性的。たとえば、太平洋に面した「浜通り」は温暖で年間を通して気候が安定し、阿武隈高地と奥羽山脈に挟まれた「中通り」は中央に流れる阿武隈川の恵みを受けた豊かな土壌に特色がある。奥羽山脈と越後山脈の間に位置する「会津」は山々に囲まれた盆地のため、吹き下ろす風によっても滋味に富んだ米ができるという。
こうした地域の特色を生かして、県内ではさまざまな品種が育てられている。代表銘柄はご存じ、「コシヒカリ」。県全体の作付面積のおよそ半分を占め、なかでも会津産は食味ランキングで最も評価の高い特Aの常連として知られている。また、限られた登録生産者だけが栽培できるトップブランド米「福、笑い」をはじめ、「天のつぶ」「里山のつぶ」といったオリジナル品種の開発にも力を入れている。
そんな名産地・福島県産の米を使う飲食店でスピードくじをもらえるキャンペーンが12月4日(水)からスタートする。実施場所は「dancyu食堂」をはじめ、会津コシヒカリを使うおにぎりの「ほんのり屋」など約20店舗。「dancyu食堂」と「ほんのり屋」以外の飲食店は12月いっぱい、来店客すべてにスピードくじを配布する。当たりがでれば、首都圏の約100店の米穀店で福島県産の新米2kgと引き換えるか、楽天市場の対象店舗で福島県産米の購入に使えるクーポン券をもらう(先着1,500名)か、どちらか一方を選べる。
福島の新米をお店で堪能し、さらに自宅でも炊いて味わえば口福は2倍。詳細は下記のリンクで12月4日以降にチェックを。
福島のお米キャンペーンに合わせ、「dancyu食堂」には福島の食材をふんだんに使ったスペシャルな定食が登場する。主菜として用意されるのは、福島県を代表する銘柄鶏、川俣シャモを使った鶏すき鍋だ。
「阿武隈高地で平飼いされる川俣シャモは、程よく弾力のある肉質とコクのある味わいが特徴。12月は一年を締めくくる月なので、ご馳走感があって華やかなすき焼き仕立てにしました。今回は福島の味ということで割り下も甘めにしてあり、ご飯にぴったりですよ」
こう説明するのは料理長の松浦寛大さん。福島県の隣、宮城県出身の松浦さんはかねてから川俣シャモのファンだったそう。その持ち味を堪能できるよう、ジューシーなもも肉とあっさりとしたむね肉の2種をダブルで使っている。
「もも肉はだしで軽く煮てから加え、むね肉はそのまま注文ごとに割り下で煮込んで、それぞれがベストな火入れになるようにしています。まずはそのまま部位による味の違いを楽しんでみてください。その後はご飯に載せたり生卵を絡めたり。締めに残った煮汁で卵かけご飯にするのもオススメです」
さらに、脇に控える具材も芹、ねぎ、焼き豆腐など盛りだくさん。なかでも珍しいのは車麩だろう。これもまた福島県の特産品とか。
「現地では車麩をすき焼きに入れるのも定番。川俣シャモの旨味が加わった煮汁をたっぷり吸って、食べ応えがあります」
松浦さんの話にもうたまらず、箸を取り上げいざ実食! まずはもも肉から口にすると、ぷりんと柔らかい肉からピュアな旨味があふれ出した。対して、むね肉はしっとりとして後味はさっぱり。車麩はふっくらもっちりとして、甘辛い煮汁がじゅわっ。割り下の塩梅も絶妙で、ご飯が進んで進んで止まらない。
鶏すきが従える品々もご当地の味が全開だ。その一つ、常磐沖で獲れるメヒカリの唐揚げは丸々太ったものが2尾も!皮目がパリッと揚がり、脂ののったほろっと柔らかな白身から旨味がしゅわしゅわほとばしる。もう一品は、正月のおせちに欠かせないという郷土料理のいかにんじん。ほんのり甘い味つけに切りいかと昆布の風味が混ざり合い、シャキシャキの歯触りが後を引く。さらに味噌汁に手を伸ばせばなめこまで福島県産と抜かりなしだ。酒好きならずとも呑みたくなる布陣だが、白ご飯の前に一杯というのも大いにあり。その場合、ご飯と味噌汁は後から持ってきてもらえるそうだから、事前にスタッフに声がけを。
そんなスペシャル福島の旨いもんたちを受け止めるのは福島県産の新米を炊いた白ご飯。松浦さんが選んだのは、福島県のオリジナル品種「天のつぶ」だ。15年の歳月をかけて誕生させたこの品種は、天に向かってまっすぐ伸びる稲の力強さがネーミングの由来。冷害に強いこともあって、県内で今やコシヒカリに次ぐ生産量を誇っている。
「大粒のしっかりとした食感と、かむほどに湧き出る甘味が魅力。甘辛くて食べ応えのある鶏すきと相性抜群なんです。粘り気が少ないので“歯さばき”もよく、どんなおかずも引き立ててくれますよ」
聞けば、キャンペーン期間中は川俣シャモの定食だけでなく、店で使うお米すべてを「天のつぶ」にスイッチ。つまり、どの定食を選んでも福島のお米を味わえて、スピードくじももらえるわけだ。
豊かな風土を盛り込んだ定食はお腹も心もほっこり大満足。旅心までくすぐっていく。福島県米のファンはもちろん、まだ食べたことのない人もこの時季だけのおいしい機会をお見逃しなく!
文:上島寿子 写真:海老原俊之