dancyu本誌から
dancyu5月号「餃子の新星」絶賛発売中!

dancyu5月号「餃子の新星」絶賛発売中!

新感覚の餃子を堪能できる充実の店紹介から、これからのニュースタンダードとなる家餃子のレシピまで、餃子の新しいおいしさと魅力を、とことん探ってみました。第一特集としては約10年ぶりとなる特集は、題して、「餃子の新星」。読めば餃子の楽しみがグンと広がる一冊です!

餃子の日

表紙
P8-9
P16-17
P22-23
dancyu2024年5月号
『ぎょうざのひ』(かとうまふみ作 偕成社)という絵本があります。小学生の女の子が、「ぎょうざのひ」は一目散に家に帰ってきて、妹や弟と一緒にわいわいと餃子をつくり、大笑いしながら食べるというお話です。特に、丸、三角、四角、巾着形、UFO形など、子供たちが自由に包んだ餃子が並ぶページは圧巻! 
私も小学生の頃は餃子が大好物で、わが家でも家族みんなで餃子をつくる日がありました。凝り性の母は、皮から手づくり。といっても、生地に水分を加えすぎない限りは失敗もなく、やってみれば意外と簡単です。皮をのばして包むのは子供たちの仕事です。生地はひんやりとしてなめらかで触っているだけで心地よく、よくのびるので市販の皮よりも包みやすいくらい。大人のように薄くのばせず厚くなっても、それはそれでモチモチして美味しいので問題ありません。餃子の日はほかにご飯もおかずもなく、ひたすら餃子だけを、弟と競い合うように食べたものでした。 
大人になってからは、友人と闇餃子の会をしました。普通の餃子の餡に、しそ、パクチー、セロリ、キムチ、チーズなど、これを加えたら美味しいかな?と思う素材を、おのおの一つ入れて包むのです。「緑が透けて見えるからしそかな……と思ったらパクチーだった!」「セロリ、いけるね」なんて驚きや発見を口々に言い合いながら食べる餃子は、クリエイティブ&エキサイティング!一つ一つフォーチュンクッキーを開けるようなわくわく感があり、大いに盛り上がったものでした。餃子の日は、いつも特別な日でした。 
ところで、冒頭の絵本ですが、天真爛漫に見える女の子が、実は小さいながらに気遣いの人だとわかる部分があります。家族は気づかないその健気さが、ちょっぴり切ない。餃子の日に家族の幸せを願う優しい女の子が、ずっと幸せでありますようにと願わずにいられません。

dancyu編集長 藤岡郷子
dancyu2024年5月号
dancyu2024年5月号
特集:餃子の新星
A4変型判(108頁)
2024年4月6日発売/ 980円(税込)

写真:宮濱祐美子