dancyu本誌から
dancyu3月号「王道の日本酒」絶賛発売中!

dancyu3月号「王道の日本酒」絶賛発売中!

久しぶりの忘年会ラッシュを経て、正月は、昼から燗酒におせちに雑煮に餅。呑んで食べ目新しいジャンルが次々に生まれ、変化の激しい昨今。未知なる酒も楽しいけれど、いつ飲んでも「ああ、これ!」と思わず唸る、安定感のある日本酒の旨さは格別です。王道といっても必ずしも古い銘柄ではありません。令和の今、改めて飲んでほしい、「満足感ド真ん中の酒」です!

人生を変えた一皿

表紙
P22-23
P30-31
P77
dancyu2024年3月号
取材で出会った料理人に「あの店で食べた料理がきっかけでこの道に入った」なんて話を聞くことがあります。たった一食が、一皿が、人の一生を変えてしまうこともあるんですね。
思えば私にも、人生を変えた一皿がありました。ゴルゴンゾーラチーズの蜂蜜がけです。場所は六本木の某イタリア料理店、新卒内定者の食事会でした。1990年代後半当時、世間ではイタリア料理が定着していましたが、大学生だった私は本格的なイタリアンのコース料理は未体験。そこで初めて“ゴルゴンゾーラチーズの蜂蜜がけ”を口にしたときの衝撃たるや!!「予想外だけどめちゃくちゃ合う!考えた人天才!」――もう大興奮の大騒ぎです。ふと周囲を見ると、同期は粛々と食べています。都心の大学に通う子たちはこういう料理、食べ慣れているのかな……なんて感心したものでした。
実は私、就職面接ではずっと「プレジデント誌志望」と言っていたのです。でも、蓋を開けてみると、配属先はdancyu編集部。後日、上司からこんな話を聞きました。「実は欠員があってね、藤岡さんは食べるの好きだから、dancyuでも大丈夫じゃない?って言っといた」。私は自分から「食べるのが好き」と言った記憶は一切ありません。おそらくあれです、内定者の会での大興奮……。
人事は予想外でしたが、食の世界は奥深くて飽きることなく、あっという間にそのまま27年。今年の1月に編集長を拝命しました。時々ふと思います、もしあのときのメニューが別のものだったら――。人生って面白いですね。
dancyuで紹介した一皿が、どこかで誰かの人生を、少しでも素敵に変えられますように。斬新でわくわくする、雑誌らしい記事をつくっていきたいです。今後ともご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

dancyu編集長 藤岡郷子
dancyu2024年3月号
dancyu2024年3月号
特集:王道の日本酒
A4変型判(188頁)
2024年2月6日発売/1200円(税込)

イラスト:ICIRAKU STUDIO