dancyu本誌から
dancyu11月号「おにぎりとのり巻き」絶賛発売中!

dancyu11月号「おにぎりとのり巻き」絶賛発売中!

dancyu11月号は、「おにぎり」と「のり巻き」の特集です!ご飯と海苔が紡ぎ出す、シンプルで最強のハーモニー。朝、つくりたて、握りたてにパワーをもらって一日を走り出す。昼、一生懸命動いた頭と体にほっとひと息、エネルギーチャージ。夜、酒のお供にもありがたい。前回のおにぎり大特集から早5年。2023年版、dancyuのおにぎり・のり巻きの新地図に、大注目の韓国のソウルフード、”キンパ”のブックインブックまで添えて、皆さまにお届けします!

丸か、三角か。

表紙
P12+13
P40+41
P48+49
dancyu2023年11月号
子供の頃、味噌をつけたおにぎりが好きでした。ご飯を丸めて、周りに味噌をつけるだけのものですが、米の旨味と味噌の甘辛が混ざり合って、それがまだらなグラデーションとなって、旨かった。自分でつくると、味噌をつけすぎて塩辛くなることもありましたが、何度もつくっているうちに加減がわかるようになり、自分好みにできるようになりました。今思うと、「塩梅」という感覚を初めて知ったのは、このときだったのかもしれません。今でも「旨い」と思うおにぎりは、味噌にぎりの塩梅が基準になっている気がします。
そして、子供の頃は三角に握ることができませんでした。格好良く角を立てようとしても、どうしても丸く、お団子のようになってしまう。三角のおにぎりは憧れでした。今では当たり前のように三角おにぎりを食べていますが、最近、ふと丸いおにぎりが懐かしく思えてきました。三角は見た目が美しいし、食べやすいし、具にたどり着きやすい。丸いおにぎりは食べにくいし、こぼしやすいし、海苔を巻きにくいし、具にたどり着きにくい。でも、ご飯にかぶりつく快感は丸いほうが強い。握り手の温もりも感じやすい……。と思って、久しぶりに丸いおにぎりをつくってみました。旨い。でも、海苔の香りとご飯と具のバランスが絶妙な三角おにぎりの美味しさは、やはり素晴らしい。懐かしい旨さか、大人の味覚か。丸か、三角か。決められない……。

dancyu編集長 植野広生
dancyu2023年11月号
dancyu2023年11月号
特集:おにぎりとのり巻き
A4変型判(120頁)
2023年10月6日発売/980円(税込)

写真:わたなべよしこ