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下北沢「BAR くらげ」の絶品・黒糖焼酎レモンサワーで爽やかに酔う──「TOKYO焼酎酒場」おかわり②

下北沢「BAR くらげ」の絶品・黒糖焼酎レモンサワーで爽やかに酔う──「TOKYO焼酎酒場」おかわり②

小田急小田原線・東北沢駅~世田谷代田駅間の地下化に伴い、線路跡地に生まれた“下北線路街”。その一角に、“島の酒”を得意とした焼酎バーがある──dancyu8月号「焼酎は割って楽しい!」特集内の店企画「TOKYO焼酎酒場」。記事では紹介しきれなかった、とっておきのもう1杯をおかわり!

かつて下北沢一番街入口の踏切があった場所から東北沢駅に抜ける線路跡には、アパレルや雑貨、飲食店が入居する商業施設「reload」や遊歩道ができ、新たな人の流れが生まれている。その最も東北沢駅寄りにあるのが、「MUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA」だ。1階に併設された「BAR くらげ」は、ホテルのバーというよりは、西海岸のカフェのような明るく開放感のある造り。店内にはソウルやラヴァーズ・ロックが流れ、ゆったりと時間が過ぎていく。

入口
ホテルの1階の対面にある「SIDEWALK COFFEE」と同じ経営母体が運営。
店内
土日祝は15時から営業。店名の「くらげ」は“漂う=ただ酔う”の意。

この店はテキーラやメスカル、ウイスキー、クラフトジンなど蒸留酒をメインに置いているが、中でも充実しているのが沖縄の泡盛や奄美の黒糖焼酎など、日本の島しょ部で造られる本格焼酎の数々だ。

もともと蒸留酒を好んで飲んでいたという店長の飯塚航さんは、泡盛から本格焼酎にハマったという。泡盛の古酒など熟成した焼酎も数多く揃えていて、好みを伝えればあれこれとお薦めを出してくれる。

飯塚航さん
店長の飯塚航さん。
酒甕
店内で甕熟成している泡盛。左から“残波”、“忠考”、“やまかわ”。

特集の誌面では、蒸留後に甕でねかせた泡盛“やまかわ 甕フィニッシュ”のソーダ割りを紹介しているが、この店には他にも飲んでおくべき焼酎割りがあるのだ。

看板メニューの一つは、黒糖焼酎を使ったレモンサワー。瀬戸田レモンの皮を漬け込んだ黒糖焼酎“高倉”に、レモンの実ときび砂糖を煮込んだ自家製シロップ、さらに注文ごとに搾ったレモン果汁を加えて強炭酸水で割るという手のかけよう。

黒糖焼酎と瀬戸田レモン
黒糖焼酎“高倉”に瀬戸田レモンの皮を漬け込む。
レモン絞り機
注文ごとにフレッシュジューサーで搾ったレモン果汁を加える。
レモンサワー
レモンサワー700円。シロップを加えているが甘味は抑えめ。黒糖焼酎の深いコクに瀬戸田レモンのキリリとした酸味が絶妙に調和する、爽やかな喉ごしの1杯だ。

さらに、もう一品。隣にある「reload」に出店している、人気の日本茶専門店「しもきた茶苑 大山」のほうじ茶を使った、麦焼酎のほうじ茶割りだ。

静岡産“やぶきた”のほうじ茶の茶葉を漬け込んだ麦焼酎を、水出しでゆっくり抽出したほうじ茶で割ってつくる。やさしい甘さを含んだ麦焼酎の香ばしさと茶葉の風味、水出し茶の柔らかい風味がかけ合わさり、すいすい飲めてしまう旨さに。

ほうじ茶割り
ほうじ茶割り700円。麦焼酎に茶葉を漬け込む(この日はベースの酒に“一尚麦”を使用)。さらに水出しのほうじ茶で割る。

場所柄もあって、店にはインバウンド客も多く訪れる。「日本の特有の蒸留酒文化である焼酎や泡盛の魅力を、海外の人たちに向けて発信していきたい」(飯塚さん)という。「BAR くらげ」は、肩肘張らずに焼酎のおいしさに触れることができるバーであり、焼酎の奥深い世界にズブズブとハマっていってしまいそうな怖さもある(?)、楽しい店なのだ。

店舗情報店舗情報

BAR くらげ
  • 【住所】東京都世田谷区北沢3-9-19 MUSTARD HOTEL1階
  • 【電話番号】なし
  • 【営業時間】17:00~23:00(L.O.) 土日祝は15:00〜
  • 【定休日】月曜 火曜
  • 【アクセス】小田急線・京王井の頭線「下北沢駅」より徒歩5分、小田急線「東北沢駅」3分

営業時間など詳細はInstagram(@kurage___bar)にて確認を。

文:宮内 健 写真:阪本 勇

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