ウニを食べまくった後は、冷麺を食べに盛岡に移動。盛岡冷麺を目的に人気の2軒を巡ったのですが、冷麺の味わいもさることながら、タレ焼肉で白飯をがっつり食べる焼肉の原点を思い起こし、感動したのでした。
岩手・洋野町でウニを堪能した後は、盛岡冷麺を食べに盛岡に移動しました。盛岡冷麺は朝鮮半島の伝統料理であるビビン冷麺(韓国語ではピビムネンミョン。甘辛いタレを絡めた麺)とスープ冷麺(だし汁に大根の水漬けの汁を加えたスープに麺を入れたもの)を融合し、牛のスープで仕上げた独自の料理。また、朝鮮半島では蕎麦粉を使った黒っぽい麺ですが、盛岡冷麺は小麦粉でつくる白っぽい麺が特徴です。
盛岡で冷麺を食べたことはありましたが、元祖の味を知るべく、約70年前に盛岡冷麺を生み出した発祥の店「食道園」に向かいました。
店内は、町場によくある焼肉店の雰囲気。家族連れやカップルが楽しそうに食事をしています。まずはキムチ 、ナムル、韓国海苔をつまみながらビールをキュッと。そして、タン塩、ロース、カルビなどを注文すると「ロースやカルビは卵をつけて食べていただくのがお薦めです」。玉子も追加。
ロースやカルビはまずは焼いてそのまま食べ、次に小皿に入ったタレをつけて食べ、そして、溶き卵をつけて食べてみました。なるほど。卵をまとわせるとやや甘めのタレがさらにまろやかになり、肉の旨味が引き立ちます。これはしっかり焼いた方が合いますね。これは白飯で食べたい!すみません、ご飯ください!
そもそも、オーソドックスなタレ焼肉はビールよりも白飯が合うのです。最近はコース仕立てだったり、塩やオリジナルのソースでいただく洗練された焼肉が増えていますが、甘辛のタレでしっかり味がついた焼肉で白飯をがっつり食べるのは本能が喜ぶ快感!久しぶりにこの感動を思い出したような気がしました。さらに、タレと卵をまとったカルビを白飯にのせて食べると、おお、焼肉丼と卵かけご飯のいいとこどりではないですか。ますますご飯が進みます。
そして、締めにはお目当ての冷麺を。「普通」の4倍の辛さの「特辛」から、辛いのが苦手な人用の「別辛」(キムチ別盛り)まで4段階の辛さを選べます。
運ばれてきた冷麺は麺が美しく盛られ、シンプルな構成。辛口(「普通」の2倍の辛さ)を選んだスープは澄んだ味わいに程よく辛さが絡んでいます。麺は柔らかい弾力があり歯応えが艶かしい。鋭い美味しさではなく、じわじわと広がる感じです。盛岡冷麺の元祖はやさしい味わいでした。
店内のほぼすべてのお客さんが冷麺を食べていて、焼肉を食べずに冷麺だけを食べている人もいます。もちろん、名物料理なのでそれだけを食べるのはもちろんありですが、できれば焼肉も食べてほしい!焼肉店の原点の楽しさを体験できますから。
久々にタレ焼肉の快感に目覚めてしまった僕は、翌日も人気店「盛楼閣」に向かいました。こちらも冷麺が名物なのですが、もちろん、焼肉から始めます。と、メニューを見たら、ロース、キムチ、ナムル、生野菜、生卵、ライス、スープ(大)がセットになった上定食2,600円を発見!
カルビも追加して、またもタレ焼肉アンド白飯を堪能。やはり生卵は必須なんですね。それにしても、スープでかい!数多くの焼肉店に行きましたが、一人分でこの量のスープは人生初です。
そして締めは冷麺。特辛・辛口・中辛・ちょい辛・普通・ひかえめ・辛味別と、辛さは7種類から選べます。きめ細かいですね。辛口を注文したところ、濃い目で辛味がいいアクセントになるスープと弾力ある麺がよく合います。スイカものってます。
というわけで、冷麺を目的に訪れた盛岡ですが、正直、冷麺よりも町場の焼肉店の快感を久ぶりに味わったことが印象に残った旅でした。
文・写真:植野広生
岩手・洋野町でウニを堪能した後は、盛岡冷麺を食べに盛岡に移動しました。盛岡冷麺は朝鮮半島の伝統料理であるビビン冷麺(韓国語ではピビムネンミョン。甘辛いタレを絡めた麺)とスープ冷麺(だし汁に大根の水漬けの汁を加えたスープに麺を入れたもの)を融合し、牛のスープで仕上げた独自の料理。また、朝鮮半島では蕎麦粉を使った黒っぽい麺ですが、盛岡冷麺は小麦粉でつくる白っぽい麺が特徴です。
盛岡で冷麺を食べたことはありましたが、元祖の味を知るべく、約70年前に盛岡冷麺を生み出した発祥の店「食道園」に向かいました。
店内は、町場によくある焼肉店の雰囲気。家族連れやカップルが楽しそうに食事をしています。まずはキムチ 、ナムル、韓国海苔をつまみながらビールをキュッと。そして、タン塩、ロース、カルビなどを注文すると「ロースやカルビは卵をつけて食べていただくのがお薦めです」。玉子も追加。
ロースやカルビはまずは焼いてそのまま食べ、次に小皿に入ったタレをつけて食べ、そして、溶き卵をつけて食べてみました。なるほど。卵をまとわせるとやや甘めのタレがさらにまろやかになり、肉の旨味が引き立ちます。これはしっかり焼いた方が合いますね。これは白飯で食べたい!すみません、ご飯ください!
そもそも、オーソドックスなタレ焼肉はビールよりも白飯が合うのです。最近はコース仕立てだったり、塩やオリジナルのソースでいただく洗練された焼肉が増えていますが、甘辛のタレでしっかり味がついた焼肉で白飯をがっつり食べるのは本能が喜ぶ快感!久しぶりにこの感動を思い出したような気がしました。さらに、タレと卵をまとったカルビを白飯にのせて食べると、おお、焼肉丼と卵かけご飯のいいとこどりではないですか。ますますご飯が進みます。
そして、締めにはお目当ての冷麺を。「普通」の4倍の辛さの「特辛」から、辛いのが苦手な人用の「別辛」(キムチ別盛り)まで4段階の辛さを選べます。
運ばれてきた冷麺は麺が美しく盛られ、シンプルな構成。辛口(「普通」の2倍の辛さ)を選んだスープは澄んだ味わいに程よく辛さが絡んでいます。麺は柔らかい弾力があり歯応えが艶かしい。鋭い美味しさではなく、じわじわと広がる感じです。盛岡冷麺の元祖はやさしい味わいでした。
店内のほぼすべてのお客さんが冷麺を食べていて、焼肉を食べずに冷麺だけを食べている人もいます。もちろん、名物料理なのでそれだけを食べるのはもちろんありですが、できれば焼肉も食べてほしい!焼肉店の原点の楽しさを体験できますから。
久々にタレ焼肉の快感に目覚めてしまった僕は、翌日も人気店「盛楼閣」に向かいました。こちらも冷麺が名物なのですが、もちろん、焼肉から始めます。と、メニューを見たら、ロース、キムチ、ナムル、生野菜、生卵、ライス、スープ(大)がセットになった上定食2,600円を発見!
カルビも追加して、またもタレ焼肉アンド白飯を堪能。やはり生卵は必須なんですね。それにしても、スープでかい!数多くの焼肉店に行きましたが、一人分でこの量のスープは人生初です。
そして締めは冷麺。特辛・辛口・中辛・ちょい辛・普通・ひかえめ・辛味別と、辛さは7種類から選べます。きめ細かいですね。辛口を注文したところ、濃い目で辛味がいいアクセントになるスープと弾力ある麺がよく合います。スイカものってます。
というわけで、冷麺を目的に訪れた盛岡ですが、正直、冷麺よりも町場の焼肉店の快感を久ぶりに味わったことが印象に残った旅でした。
文・写真:植野広生