生産量では山梨・福島・長野・和歌山・山形に及ばないが、桃の品種開発と栽培技術の研究では、岡山の功績が非常に大きい。1901年に農事試験場を設立し、中国から導入された天津水蜜・上海水蜜などを元に始まった岡山の桃品種開発。122年もの歳月と膨大な試行錯誤で、数々の凄い桃が生まれた。日本の主要桃品種は白桃系と白鳳系に大別されるが、白桃は岡山生まれ。白鳳は神奈川県の試験場が開発したが、元は白桃だ。つまり、日本の主要桃品種の血筋は岡山に源流がある。
新しい優れた品種を生み出す人たち(育種家)は意図を持ち、血筋の特徴から仮説を立てて品種を開発する。清水白桃のような絶対王者に偏ると、その品種特有の問題が発生すれば、生産量が激減するリスクがある。白皇は2003年開発開始で、品種登録までに13年の歳月が費やされた。
白皇は切り口が変色(褐変)しにくく、日持ちが良く、香も非常に良い。高糖度で渋みが少なく、収穫時期もずれる!果肉は緻密で多汁。そして非常に大玉になる。
まさに新王者になる素養を全て持ち合わせた優良血統が『白皇®️』だ。
文:(株)食文化 萩原章史