北海道・十勝を拠点に狩猟や放牧飼育したジビエや豚肉などを、飲食店などに卸したり、料理に加工したり、あるいは十勝や東京で飲食店も経営する“食肉料理人集団”、それがELEZO(エレゾ)。当初から描いていた“設計図”通りに着実に展開を続ける佐々木章太さんの思いとは――。
料理人として食の道に入った佐々木さんは、飲食の世界での肉の扱われ方に違和感を持ち、故郷・十勝に戻った際に、地元の自然や肉に関わる人たちへの感謝が欠如していたことに気付いたと言います。その“感謝”がELEZOの原点であり、生き物の命に携わるからには責任を全うすること、きちんと伝えていくことが重要と考える佐々木さん、としてELEZOの原点を伺いました。
ささき・しょうた●1981年、北海道・帯広生まれ。東京・西麻布「ビストロ・ド・ラ・シテ」などで経験を積み、2005年に食肉の自社一気通貫型モデルを確立するため「ELEZO(エレゾ)」を設立。ジビエの狩猟、家畜家禽の生産、それらの肉食材で熟成流通、加工製造、レストラン運営の4部門構成で独自の展開を構築する。十勝のエレゾ・ファームでジビエの狩猟や放牧豚などの飼育を行い、全国各地の信頼するレストランに精肉卸すほか、シャルキュトリ製造にも定評が高い。飲食でも東京・虎ノ門のエントリーモデルとして位置付ける「エレゾゲート」で料理を提供。2022年には十勝にオーベルジュ「エレゾ・エスプリ」をオープン。ジビエや畜肉の熟成流通や加工製造における従来の“常識”を覆し、スタート当初より生産から飲食までの一貫した理想の体制を描き、それを着実に実行している。多彩なスタッフをまとめあげる兄貴分的存在の佐々木さんは、熱い思いを抱きつつ、冷静に計画をこなすリーダーである一方、ロマンチストであり、おちゃめな人でもある。