オーストラリア・キングアイランドのマメ科の牧草地で、10万頭の牛は悠々自適に育つ。365日、栄養価の高い生きた草を食み、雨量が多い島の生きた水を飲む。王様の島で育つ牛の肉は、ジューシーで実に優しい味になる。
キングアイランドの牛には飼育という言葉が似合わない。牛の血統や牧草地の牧草の品種は管理しているが、他に余分な人の手を加えることはほぼない。
オーストラリア大陸とタスマニア島の中間に位置する、東京都の半分ほどの面積のキングアイランド。島には1,500人ほどしか人類はいないから、人による汚染は皆無に等しい。その豊かな自然を利用して、栄養価の高いマメ科の牧草を中心に、播種から牧草地を管理している。つまり、放牧とはいえ、牛の食の管理をし、グラスフェッドでも最高の肉質追求が可能となる。
キングアイランドビーフの生産者JBSオーストラリアは、国際的に認められている認証プログラムである「Meat Standard Australia(オーストラリア肉基準)」を取り入れ、他のオージービーフとは異なる、厳しい品質管理をしている。
キングアイランドビーフは厳しいプログラムを順守する農業者のみの手で生まれる。
掟はシンプル。放牧・牧草食・NO遺伝子組み換えの牧草・NO成長ホルモン・NO抗生物質・アニマルウェルフェア厳守、それに第三者監査(ISO/IEC17065)を受け入れること。そしてMSAトップランクの牛肉であること。
赤身の牛肉はたくさん食べたい!赤ワインを飲みながら、口に肉の塊を放り込み、咀嚼力全開で食べ続けたい!辛いサルサやハーブたっぷりのパンチ力のあるサラダも欲しい!料理は少し難しくなるが、骨付き肉はテンションが上がる!
放牧牛の固くて癖のあるイメージとは違い、霜降り肉のとろける食感とは違う、肉繊維の柔らかさが特徴。マメ科の牧草で育っているから、青臭さも一般的なグラスフェッド牛肉とは違う。豪州の有名レストランが指名買いするのも納得のストレスを感じない肉質が魅力だ。
文:(株)食文化 萩原章史