dancyu本誌から
「串焼きや しゃんしゃん」の串焼きと芋焼酎ソーダ割り|編集部員の校了めし③

「串焼きや しゃんしゃん」の串焼きと芋焼酎ソーダ割り|編集部員の校了めし③

dancyu1月号「いま、東京で行きたいのはこんな店です。」特集に掲載した“編集部員の校了めし”。誌面では、長時間の作業に追われる雑誌づくりの校了期間中に、どうしても食べたくなるご飯を6人の編集部員が紹介しました。dancyuWEBでは、それぞれのお店について詳しくご紹介します!

旨い串焼きで疲れも吹っ飛ぶ、深夜のオアシス酒場

作業の手が離れる時間が見えない校了時期に、「あれが食べられる時間までには仕事を片付けよう!」と奮い立たせてくれる、深夜のオアシス酒場――。「串焼きや しゃんしゃん」のことを、本誌記事ではそう紹介した。校了時期以外にも、夜遅い時間に駆け込むことが多いのだけれど、いやいや、早めの時間からじっくり腰を据えて飲むのにも最高なのだ。この店は。

串焼きと焼酎ソーダ割り
誌面で紹介した、串焼きと焼酎ソーダ割り。

西荻窪駅北口を出て、バス通りをしばらく歩いて、細い路地を覗くと「串焼きや しゃんしゃん」はある。平日は17時から、土日は16時から店を開く。ちなみに、徒歩10秒のところに16時から開店する銭湯があるので、ひとっ風呂浴びてととのえてからの、湯気を立てたまま生ビールをゴクリ!という至福のコースも可能なのだ。

外観
2008年に開店した、「串焼きや しゃんしゃん」。

口開けに訪れれば、美しく串打ちされた素材が冷蔵ケースにびっしりと並べられている。その光景に、「この店、間違いない」と、思わずニヤけてしまうことだろう。

店内
平日は17時から、土日は16時から店を開く。
冷蔵ケース
串焼きは鶏、豚、野菜などなど実にメニュー豊富。冬場には合鴨も並ぶ。

僕が必ず最初に注文するのは、生ビールと“ミノもやし”。ピリ辛のたれを纏ったミノは、噛むほどに旨味がじんわり滲んできて、否応なしにビールが進む。喉が潤い、一息ついたところで、目の前の冷蔵ケースとにらめっこして、何から焼いてもらおうか、じっくりと悩むのだ。

ピリ辛ミノもやし、生ビール
ピリ辛ミノもやし550円、生ビール638円。

悩みに悩んで、この日は豚バラ、花咲なんこつ、赤鶏上もも、ほうれん草チーズ巻の4本を注文。福岡出身の店主・東耕一郎さんが炭火で丁寧に仕上げる串焼きは、ねぎが玉ねぎの博多流。

串焼き
串焼きは一本308円~。

串焼きに合わせるのは、芋焼酎ソーダ割り。棚に並ぶ本格焼酎は、店主と同じく酒好きの妻・智子さんがセレクト。銘柄はいつもお任せで出してもらうのだが、地元にしか出回らないような限定酒もあったりして、注文するたびに唸らせられる。

焼酎
本格焼酎グラス605円~は、芋を中心に「自分たちが飲みたい酒」をラインナップ。限定モノも手頃な価格で提供している。

串焼きをさらに追加するのもいいのだが、料理メニューが素晴らしく充実しているのが、また悩ましいところ。皮目をカリカリに焼き上げた“焼豚足”は、フレンチからインスパイアを受けた逸品。さらには、ラーメンからそぼろめし、カレーライスなど締めの料理も多数ある。“辛麺”は宮崎の地元料理を、蕎麦粉の麺にアレンジしていて、これまた旨い。

焼豚足
焼豚足880円。
辛麺
辛麺748円。

惜しみなく手をかけた料理と、旨い酒、店主夫妻を中心とした朗らかな接客に、すっかり居心地がよくなって。ついつい長っ尻になってしまう。地元の人にこよなく愛される、実に西荻らしい店なのだ。

店主夫妻
店主の東耕一郎さんと、妻の智子さん。

店舗情報店舗情報

串焼きや しゃんしゃん
  • 【住所】東京都杉並区西荻北4‐4‐14
  • 【電話番号】03‐3395‐5531
  • 【営業時間】17:00~翌0:00 土日祝は16:00~
  • 【定休日】火曜
  • 【アクセス】JR「西荻窪駅」より徒歩6分

年末年始は2022年12月31日、2023年1月1日のみ休業。

写真:土居麻紀子 文:宮内 健