おいしい本
「パパッと手軽」に非ず!炒めものへの姿勢が変わる本

「パパッと手軽」に非ず!炒めものへの姿勢が変わる本

本誌10月号「炒めもの」特集で、トップを飾った料理研究家のウー・ウェンさん。その企画でビビッと来た方に、そして炒めもののベチャッと感に悩むすべての方に、是非お薦めしたい一冊がありました。――お腹がすく新刊を紹介するdancyu本誌の連載「今月のハラヘリ本」でご紹介した書籍を、ここでもう少し深く、詳しく、おいしくご案内します。

今日の一冊

『ウーウェンの炒めもの』

ウー・ウェン/高橋書店 2,090 円

書影
中身

これまで数多くの著書を通じて、中国の日常料理のおいしさ、家庭料理の楽しさを伝えてきた、ウー・ウェンさん。ウーさんの代表作と言えば、誰もがすぐに思い描く“粉もの”の本や、野菜をたっぷりつかったおかずの本、日々を助けるおうちの献立……。
しかし、これだけ多くの著書があってもなお、日本人がなかなかおいしくつくれるようにならない「炒めもの」については、永らく思いを温めていたそうだ。

なぜなら私たちは、炒めものが、忙しいときや時間がないときに、「ササっとあるもので簡単に」つくれると思っているけれど、本当は、炒めものは、「手間と時間をかけると、とびきりおいしくなる」家庭料理だから。

もともと中国で生まれた料理だから、油は“調味料”だと思って、おいしく使ってほしい。
素材はあれもこれも要らないし、シンプルでいいけれど、丁寧に下準備をしてほしい。
おいしくするためにおさえるべきコツは、ひとまず5つのメソッドに集約して、野菜の炒めものから、魚介、肉、卵、麺、米、豆腐料理に至るまで、とにかく1種類か2種類の主役の素材を、ベストにおいしく炒める方法を、徹底的に紹介するのがこの本だ。

本誌10月号「炒めもの」特集にご登場いただいたときに、“ウー・ウェン式炒めもの”を代表する3品を、実際に、余すところなくご披露いただいた。
見るからにきれいでおいしい炒めものには、美しく丁寧な下ごしらえが必要だけれど、炒めはじめたら拍子抜けするほど簡単、ということを、身をもって体感したのだった。

書影の撮影:三浦英絵 文:編集部