編集長・植野の食日記~日々こんなものを食べています~
上海料理のやさしい奥深さに改めて感動|編集長・植野の食日記 2022年1月29日(土)

上海料理のやさしい奥深さに改めて感動|編集長・植野の食日記 2022年1月29日(土)

梁さんが新しく出したのは、焼き物や点心中心の広東料理の店。いろいろ美味しかったのですが、中でも卵を使った二つの皿は感動的な味わいでした。

「やさしさ」と「こく」の上海料理は改めて旨い!

神田「味坊」、御徒町「羊香味坊」「老酒舗」などを開いた梁宝璋(りょう・ほうしょう)さんは、中国東北地方の料理、というより母親がつくってくれた自然で美味しい料理をベースにしたメニューを揃えています。しかし、昨年オープンした東京・代々木八幡の「宝味八萬(ほうみはちまん)」は広東料理の店です。

料理
窯焼きの豚ばら肉
焼きそば

焼き物や点心を中心に様々な料理があり、窯焼きの豚ばら肉はカリカリっと香ばしい皮と肉と脂身の力強い旨味、皮と身の間のゼラチンのコクが相まって実に美味しい。米粉の皮を使った蒸し餃子や焼売も旨い。具なし醤油ベースのタレの旨味がじっくり入った焼きそばも美味。

鮮蛋腸粉

しかし、この日、最も印象に残ったのは、卵を使ったやさしく、深い旨味の二皿でした。「鮮蛋腸粉」(せんだんちょうふん)は米粉に卵を練り込んだ薄い生地を蒸して、オイスターソースなどで味をつけたもの。もちっとした生地と卵のふんわりした感じが一体化したやさしい食感に心地よい甘味を感じるタレが絶妙に合います。

鮮蛋牛肉飯
鮮蛋牛肉飯

「鮮蛋牛肉飯」(せんだんにゅうろうはん)は、“目玉焼きのせ牛肉ハンバーグ丼”のようなご飯もの。目玉焼きと牛挽き肉を崩してご飯と混ぜるようにして食べます。トロッとした食感と甘辛のタレに包まれた牛肉と卵の旨味がじわじわ広がって旨い!
どちらも日本ではあまり見かけない料理ですが、馴染みのある味わいです。

そういえば、今は四川料理に席巻(?)されているけれど、かつては上海料理の店がほとんどだったし、旨味や甘味が持ち味の上海料理は今改めて食べると美味しい。という話で中国東北地方出身の梁さんと意見が一致したのでした。

文・写真:植野広生