料理とヱビスを愉しむ時間をテーマに、今回は中国料理店を探訪。スパイスや手製のたれを駆使して独自の料理を創り上げる、東京・荒木町「遊猿」。そして、フカヒレをメインに中国料理の王道を行く、東京・赤坂「華悦樓」。タイプは異なれど、美味揃いの料理と気の置けない仲間との乾杯は、不変の歓びです。
年の暮れや、新しい年の初め。お世話になった方々や、気の置けない仲間たちとの食事の機会が増える季節こそ、同じ卓を囲んで料理を愉しめる中国料理を堪能したい。そんな華やぎの席に飲みたい上質なビールといえば、やっぱりヱビスだ。
そこで目指すは、「絶品ヱビスの店」。「絶品ヱビスの店」とは、おいしい料理とともに、ひときわ、高品質なヱビスブランド樽生を提供しているお店のことで、クリーミーな泡、クリアなビール、コールドな温度を実現したヱビスが味わえる。
まず向かったのは、良店ひしめく荒木町に店を構える「遊猿(ゆうえん)」である。
2016年の開店以来、オンリーワンの料理とそのおいしさ、愉しさから連日満席の人気を誇っている。
必ずや頼みたいのは、前菜の盛り合わせ。
8種の料理を盛り込んだ華やかさ、賑やかさ、そして多彩な香りに思わず唾を飲み込んでしまう。
店主の大内誠也さんは語る。
「『いろいろな味を愉しみたい』というお客様の想いを盛り込みました。まずはこれを召し上がっていただいてから、次の料理を考えていただければ」
鰹に、真ハタに、真ダコにあん肝。蒸し鶏や和牛もあるが、魚介を多用し、スパイスや自家製のたれを合わせ、独自の料理に昇華するのが「遊猿」の真骨頂。魚介は、大内さんが豊洲市場まで仕入れに通う。
旨い、辛い、酸っぱい、滋味深い。そしてまた旨い、旨い、旨い……。そこに、ヱビスビールで喉を潤すと、深いコクや軽やかな苦味、そしてハーバルなグリーンの風味が立ち、絶妙に合う。味わいの多彩さにひと口、もうひと口とヱビスビールが進んでしまう。
大内さんは根っからのビール党だと言う。
「お酒が大好きで、なかでもビールが一番好きなんです。ヱビスを選んでいるのは、僕自身が好きだから。休日に『YEBISU BAR』に行くほどです。ヱビスは味が深くて、スパイスや唐辛子を使う強い味わいの料理にも負けないのです」
料理とヱビスビールの絶好の組み合わせに、気持ちは高まりっぱなしだ。
続いて、黒板に書かれたメニューから "白子の麻辣煮"をお願いした。
登場したのはぽってり丸みある土鍋。蓋を開けると、熱々の湯気が立ち上り、ぐつぐつ煮立ったスープが現れた。スープをすくうと、白子がふんだんに!なんて深い味わいなんだろう。
定番の“甘鯛のうろこ揚げ”は、大内さんが「最初につくって試食したとき、衝撃的なおいしさが走った」と語る一品だ。
衣はサクサク、身はふわふわ。鶏ガラをベースに、舞茸やごぼうといった具入りのやさしい味わいの餡がからむと、さらに味わいは奥行きを増す。まさに衝撃的なおいしさ!そこにヱビスビールの旨味が相乗する。
日々、多種の仕込みや料理に真摯に取り組む大内さんだが、ビールサーバーの掃除や管理も自身で行なうと言う。
「一日の仕事終わりに飲むヱビスビールが最高なんです。管理の手を抜かないのは、僕自身がおいしいビールを飲みたいから(笑)」
大内さんの影響か、スタッフの皆さんも揃ってビール党に。
日々の労をねぎらうのも、チームワークを支えるのもヱビスビールが一役買っているのだ。
サッポロビール特設サイトにて、大内さんが提案する、おうちにいながら“お店気分でヱビスを楽しめるレシピ”を掲載中!
「赤坂 華悦樓(かえつろう)」の看板料理は、フカヒレの姿煮。押しも押されもせぬ、中国料理のごちそうである。
店主の服部憲作さんは、名門「山王飯店」で修業し、フカヒレ料理が名物の「筑紫樓」丸の内店料理長を経て自身の店を構えた。
モットーは、「見た目やインパクトよりも、実際に食べてしみじみおいしいものを提供すること」。フカヒレを看板料理に据えたのは、「お客様にも喜ばれますし、食材としても料理としても奥深さと面白みを感じるから」だと言う。
フカヒレは宮城・気仙沼産を選んでいる。空っ風を受けてしっかり乾燥していて、旨味が凝縮しているのがその理由だ。
高級なのはさることながら、戻すのに4日を要する手間のかかる食材である。
「皮を外して一晩水で戻し、骨を外してもう一晩。さらにねぎや生姜、お酒などを加えた水に漬けてくせを抜き、ヒレを柔らかくします」
戻したフカヒレは、注文ごとに、白湯(パイタン)と毛湯(マオタン)という2種類のスープで煮込んで仕上げていく。
服部さんは、フカヒレ料理の魅力をこう語る。
「お客様には大皿でどん、とお見せして、それを取り分けて提供します。フカヒレ料理は食材自体が持つ旨味や風味のよさもありますが、スープがおいしくないと成立しません。まさに直球勝負。安価なものではありませんし、食べた方の感動を呼ぶおいしさがなければ。王道中の王道を行く料理なのです」
厚みのある見事なフカヒレの姿煮と、黄金色のヱビスビール。
ため息の出るようなごちそうが並ぶ。
服部さんはフカヒレとヱビスビールの相性をこう語る。
「ヱビスビールの心地よい苦味が、白湯のコクや油分に対していいアクセントになるんです。個人的には、ヱビスビールの味わいのバランスのよさも好きで、ひと口目を飲む度に『いいバランスだな』と感じます。お客様の乾杯においても、特にビールはひと口目が肝心。ヱビスビールは1杯目、ひと口目の感動があります」
さらに、ヱビスビールと相性のいい料理として、酢豚と車海老の蒸し物を挙げてくれた。
「ヱビスビールのコクは酢豚の甘酸っぱさにも合いますし、ヱビスビールのピュアなニュアンスは活けの車海老ならではの淀みない味わいと同調します」
そして、服部さんもまた、自らの手でビールサーバーの洗浄、生樽の管理をしている。
「僕自身、ヱビスが好きで、自宅でも瓶ビールのヱビスを買ってきて飲んでいます。食事にはいろんなシチュエーションがありますが、おいしい料理とおいしいビールがあれば、勝手に会話は弾みますよね。レストランで気を配るのは、あとはおもてなしのみです」
1本ずつの繊維が太くむっちりとしたフカヒレを噛みしめ、ヱビスビールを味わう。
服部さんの言う通り、自然に口角は上がって目尻は下がり、会話が生まれる。こうして乾杯できる歓びも同時に噛みしめた。
遊猿
【住所】東京都新宿区荒木町6‐39 GARDEN TREE2F
【電話番号】 03‐6274‐8987
【営業時間】11:30~13:30(L.O.) 18:00~22:00(L.O.)※土曜は夜のみ
【定休日】日曜、祝日
【アクセス】地下鉄「四谷三丁目駅」より5分
赤坂 華悦樓
【住所】東京都港区赤坂3‐21‐10 赤坂青明会館3F
【電話番号】03‐6435‐5347
【営業時間】11:30~14:00(L.O.) 18:00~21:30(L.O.)
【定休日】日曜、祝日
【アクセス】地下鉄「赤坂見附駅」より2分
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文:長谷川ミヤ 写真:山出高士