インドのラムダムビリヤニ、タイのグリーンカレーセットがテイクアウトで楽しめる! 東京にある世界各国のテイクアウト料理をおいしく&手軽に味わえるTaste of World。旅気分を味わえて、お店の支援にも繋がる取り組みだ。テイクアウトボックスを開けて、異国の味わいを召しあがれ!
器を覆うナン生地をナイフで切り取ると、スパイスの香りがフワッと立ち上った。「シターラ 青山店」の名物料理の一つ、ラムダムビリヤニだ。店ではディナー限定の料理だが、今回はテイクアウトで楽しめるというから見逃せない。「ダムとは蓋をしてスパイスの香りを閉じ込める調理法です。ビリヤニの一番おいしい食べ方です」と胸を張るのはシェフのシンさん。
シターラは、インドの上質な味わいを日本に広めようと現地の五つ星ホテルのシェフを招聘して2004年にオープンした。以来、北インドの本物の味を求めるカレーラバーに愛される名店となった。「タンドールで焼いたラム肉もビリヤニも当店の人気メニュー。それを同時に楽しめる」とはマネージャーのスラジさん。同店屈指の傑作料理で、北インドの香りが食卓に満ちあふれること請け合いだ。
歌舞伎町に佇むビルの一角に、 日本におけるタイ料理の草分け的存在「バンタイ」がある。創業から36年間、多くの客に愛されてきた店のポリシーは、“変わらないこと”だという。店長の石黒唯さん曰く「レシピだけでなく食材の大きさも変えないように、とオーナーはよく言っています。豊富なメニュー数も絶対に減らさないんです」。
厨房で働くのは、すべてタイ人のスタッフというのも変わらないことの一つ。15年前に来日したニムさんが“母国の味”と語るグリーンカレーは、具材がごろっとした大ぶりで、ハーブの香りは目が覚めるような華やかさ。ガパオライスと生春巻きは、タイの調味料を存分に効かせた日本人に忖度なしの味わいだ。日本のタイ料理ブームを牽引してきた品々は、現地の味を真摯に伝えようという姿勢が礎になっていた。
写真:中田浩資、大谷次郎 コーディネーター:茂庭 翠