松尾貴史のカレードスコープ
京都で30年続く名店の玄米カレー|松尾貴史のカレードスコープ⑪

京都で30年続く名店の玄米カレー|松尾貴史のカレードスコープ⑪

最近、京都のカレー店巡りがはかどっているという松尾貴史さん。今回訪れたのは東大路通で30年続く名店です。そこで食べたどこか懐かしさを感じる一皿とは。

読書家はカレー好き?

このところ、ドラマの撮影で京都に滞在する機会が多く、この地のカレー店を訪れる機会が増えて密かに喜んでいる。
京都は(多分)読書家や学生が多い街だと思うのだが、彼ら彼女らとカレーは親和性があると思う。この街に歴史ある個性的なカレー店が多いのはそのためではないかとすら思う。
神田の古書店街近くにも昔からカレーの名店が多いが、片手に本、片手にスプーンのスタイルは、寿司やラーメンなど、他のランチ料理には似つかわしくない。
そんなわけで、今回も京都の名店に赴いた。近隣に京都大学や京都芸術大学がある元田中の駅からすぐの、「DIDI」は、南アジアの食堂にふらりと入ったような雰囲気が味わえる空間だ。開店してからもう30年だという。

店内

チキンカレーの玄米バージョンを大盛りでお願いした。何かの主張が突出しているわけではないのに個性的なスパイスの香りが懐かしさを感じさせてくれるグレービーに、スライスされた柔らかい鶏肉が馴染んで心地いい。
辛さは、卓上のカイエンヌペッパー(レッドチリ)や黒胡椒、塩で好みの状態にして食べられるのも嬉しい。

スパイス
スパイス

大根とにんじんの千切りサラダをアチャール的につまみつつ、上機嫌でいただく。クミンの香りをまとった煮たジャガイモをほっくり馴染ませながらまた一口、また一口、東大路通の往来を眺めながら満足をいただいた。
オリジナルのスパイスキットを1セット購入、自宅でこの世界観をどこまで再現できるか楽しみが残った。

外観

店舗情報店舗情報

レストラン ディディ
  • 【住所】京都府京都市左京区田中大久保町22
  • 【電話番号】075-791-8226
  • 【営業時間】11:00~21:30 (L.O.)
  • 【定休日】水曜日(祝日の場合は翌日)
  • 【アクセス】京都府京都市左京区田中大久保町22

文・写真:松尾貴史

松尾 貴史

松尾 貴史 (俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト)

1960年5月11日生まれ。神戸市出身。大阪芸術大学デザイン学科卒業。 俳優、タレント、コラムニスト、“折り顔”作家など幅広く活躍。下北沢のカレー店「般゜若」(パンニャ)店主。11月に新刊『違和感にもほどがある!』が発売、その他著書に『人は違和感が9割』、『違和感ワンダーランド』(すべて毎日新聞出版社)等がある。