dancyu本誌から
dancyu2月号「煮込む。」絶賛発売中!

dancyu2月号「煮込む。」絶賛発売中!

新年1冊目の特集は、「煮込む。」!煮込み料理には、こんなに良いことがあります。部屋の湿度が上がります。焦らずできて、失敗しにくいです。煮込んでいる間、一年の計画を立てられます。食べればじんわり、あたたまります。角煮と味玉、ミートボール、ボルシチ、大根と牛肉、白菜とろとろ煮、コック・オ・ヴァン……。コトコト時間をかけて煮込んで、おいしい一年をスタートさせませんか?「おでん名店の密着ルポ」や、珠玉の「東京もつ煮名鑑」もありますよ!

コトコトじっくり温まる

表紙
P22+23
P64+65
p89
dancyu2021年2月号
2020年は、多くの人が最も家で料理をつくった年だったのではないでしょうか。毎日料理をつくるのが面倒だと言う人もいますが、いろいろな料理がつくれて楽しいと感じた人は、料理の腕が上がったはず。「料理が上手くなるには、『なぜ』を考えること、そして繰り返すこと」と、かつてある料理人に教わりました。なぜ塩をふるのか、なぜ胡麻油を使うのか。「大さじ1」などという目安だけではなく、その理由を考えることで、どのような食材を使ってどう調理すればいいのかがわかってくる。それを反復することで、感覚を身につけることができる。それが料理上手への道だと。それ以来、料理をつくるときには常に「なぜ」を考えるようになりました(少しは料理上手になったと思います)。
一方で、たとえば煮込み料理をつくるときは、まったく関係ないことを考えます。鍋の中でクツクツ煮えている肉と湯気をボーッと眺めながら、「明日はどこに買い物に行こうかな」「あの曲のギターは誰?」「『今月のdancyu』になにを書こう」などなど。鍋を見つめているとあれこれ雑多なことを考え始め、でもそれがいつかちゃんと整理されたり、新たな発想が生まれたり。ある俳優も「セリフを覚えるのに煮詰まったときは、煮込み料理をつくります」と言っていたので、煮込むことで考えをまとめる人は意外に多いのかもしれません。キッチンはただ料理をつくるところではなく、思考するのに最適な場所なのです。

dancyu編集長 植野広生
dancyu2021年2月号
dancyu2021年2月号
特集:煮込む。

A4変型判(152頁)
2021年1月06日発売/ 900円(税込)