その世界のトップランナーから、その道の神髄を垣間見る神髄シリーズ。「和食」の神髄・小室光博、「すし」の神髄・杉田孝明に続く第三弾は「天ぷら近藤」の近藤文夫さんです。
東京・銀座五丁目、並木通りに面したビルの九階。
「てんぷら近藤」は今日も活気にあふれている。
油っぽさをまったく感じさせない、素材の色が美しく透ける薄衣の天ぷらをよどみなく揚げるのは、主人の近藤文夫さんだ。
新鮮な魚介が旬の野菜が、二つの鍋中で音を立てている。
見回せば豊かな香りに包まれて、お客はみんな笑顔だ。
近藤さんの天ぷらには人を幸せにする力がある。
写真:古市和義(天ぷら)、大山裕平(人物)