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味わい深いスープと羊がたまらない「クスクス ルージール」|羊が旨い店⑤

味わい深いスープと羊がたまらない「クスクス ルージール」|羊が旨い店⑤

下北沢の商店街から一歩脇道に入ったところに居を構える「クスクス ルージール」。店名にも入っているクスクスは絶品です。お好きなみなさんならご存じのように、羊はクサいとか、カタいとか、そんなのは昔の話。今や幅広いジャンルで、香り高く軽やかで、素晴らしくおいしい羊料理が食べられます。そんな羊がおいしい店をご紹介します!

羊とスープを食べ尽くす

人通りの多い一番街商店街から一歩脇道に入ると、下北沢は静かだ。ここに「クスクス ルージール」が誕生して、もうすぐ6年。シェフの金子さんは、独立するにあたって看板メニューをつくろうと考え、大好きな羊の料理を選んだ。クスクスは、まかないや家でつくっていた。「うちの奥さんが、僕がつくるクスクスが好きなんです」。店の名までクスクス ルージールにしてしまったのだから潔い。

金子浩二シェフ
「羊料理が大好きなんです」と金子浩二シェフ。

炭火焼き仔羊のクスクスに、メニューにはないけれど、メルゲーズのトッピングをお願いしてしまおう。鉄鍋の蓋が開けられ、湯気と香りがあふれ出す。クスクスを皿に取り、香ばしい炭火焼きの肩ロースと、柔らかく煮込んだ肩肉、二つを味わい、メルゲーズを齧る。クスクスをまた取り、スープをかけ足し、鍋が空になるまでがんがん食べる。野菜の力でかすかに乳酸発酵する生きたスープは、何度食べても味わい深い。

クスクス
クスクスを皿に取り、羊肉とメルゲーズ、スープをたっぷりかけ、アリッサを添えて食べると旨い!

淡々と調理する口数の少ない金子さんが、悪戯いたずらっぽい目でちらっとこちらを見る。今日のメニューが書かれた黒板には、ほかにもここにしかない魅力あるものばかりが並ぶ。でもこの店の看板はやはり、羊のクスクス、なのだ。金子さんはしっかり目的を果たしたのである。

店内
2012年開店。炭火焼き仔羊のクスクス1,620円~、トッピングのメルゲーズ一本320円。

店舗情報店舗情報

クスクス ルージール
  • 【住所】東京都世田谷区北沢3‐21‐5
  • 【電話番号】03‐6407‐1988
  • 【営業時間】18:00~23:00(L.O.)
  • 【定休日】水曜
  • 【アクセス】小田急線・京王井の頭線「下北沢駅」より5分

文:佐藤澄子 写真:岡本 寿

※この記事の内容はdancyu2018年6月号に掲載したものです。