明日、どこに食べに行こう?
発酵の力で異次元の旨味が爆発する「お惣菜と煎餅もんじゃ さとう」|発酵料理がうまい店④

発酵の力で異次元の旨味が爆発する「お惣菜と煎餅もんじゃ さとう」|発酵料理がうまい店④

代々木公園にある「お惣菜と煎餅もんじゃ さとう」では他では味わうことのできない、唯一無二のもんじゃが味わえます。“発酵羊もんじゃ”に“鶏内臓モツ発酵揚”、強烈な旨味に酒が進むこと間違いなし!

旨味爆発、もんじゃの頂点

鶏内臓モツ発酵揚げ
鶏内臓モツ発酵揚げ。発酵させたレバーやハツ、きんかんなどを揚げた盛り合わせ。繊細な味わいながらモツの旨味が広がる。900円。

鉄板に生地を流すと、じゅわっという音とともに羊とスパイスの香りが一気に立ち上る。焼き上がりを口に運べば、凝縮感のある羊の旨味がさく裂し、スパイスの香りが弾ける。
“発酵羊もんじゃ”は、佐藤幸二シェフがもんじゃ屋を開く際、最初に考えたオリジナルメニュー。目指したのは「ソースの味に負けない旨味」というが、食べて納得。むしろ、だしと野菜がベースの生地は、発酵の旨味を味わうのに好適。これは発明である!

もんじゃ
スタッフの華麗なヘラさばきを眺め、芸術的な仕上がりに焼けるのを待つ時間も楽しい。食欲を刺激する香りだけでも一杯飲めそうだ。夜のみスタッフが焼いてくれる。
もんじゃ
土手をつくらず、薄くのばした生地を煎餅状に焼く浅草式のもんじゃがベース。カスリメティやムングダルなどカレーに使うスパイスや豆も贅沢に投入。1,800円。

ポルトガル料理店「クリスチアノ」開店時からマッサ・デ・ピメンタオン(赤パプリカのペースト)やサラミといった発酵食品づくりに取り組んできた佐藤シェフ。羊の発酵は、タイ料理の古い手法から着想を得た。まず炊いたもち米と塩、水を1カ月ほど発酵させた「もと」をつくる。そこに羊の腿肉を約1週間漬け込んで乳酸発酵させ、温度管理の下、さらに数日間発酵させる。合わせる生地も粉から自家配合し、羊に合うスパイスを贅沢に投入。おいしくないはずがない。

佐藤幸二シェフ
「クリスチアノ」を筆頭に、渋谷区で“町にない店”をつくり続け、現在7店舗を経営。9月末にはカツレツの店「貴族と平民」をオープン。缶詰までつくる自家製マスターでもある。

羊でもんじゃと発酵の好相性を確信し、発酵鶏や発酵鯛のもんじゃを次々と生み出してきた。何かにハマると歯止めがきかない佐藤シェフ。駄菓子屋の定番から究極の発酵料理へ。「さとう」でもんじゃはさらに飛躍しそうだ。

店内
2017年3月開店。

店舗情報店舗情報

お惣菜と煎餅もんじゃ さとう
  • 【住所】東京都渋谷区富ケ谷1-9-22
  • 【電話番号】03-6804-9703
  • 【営業時間】12:00~14:30(L.O.) 17:00~22:00(L.O.)
  • 【定休日】なし
  • 【アクセス】小田急線「代々木八幡駅」、東京メトロ「代々木公園駅」より各1分

文:佐々木ケイ 写真:伊藤徹也

※この記事の内容はdancyu2019年11月号に掲載したものです。