dancyu本誌から
dancyu11月号「真っ当な酒場」絶賛発売中!

dancyu11月号「真っ当な酒場」絶賛発売中!

dancyu11月号、「真っ当な酒場」は本日発売です!そろそろ、酒場に帰りましょう。酒を呑みながら誰かとくつろいだり、ひとり物思いに耽る。そんな場、酒場が必要だったんだ……と感じていませんか?今月号は数ある酒場の中でも、“信頼できる酒場、真っ当な酒場”を紹介します。「ここなら信じられる」という酒場さえあれば、時代が変わろうとも、大丈夫。dancyuを読んで、ぜひ足を運んでみてください。

そろそろ酒場へ帰りたい

表紙
dancyu11月号
dancyu11月号
dancyu11月号
dancyu2020年11月号
かつて、京都にあった「くれない茶屋」という店、というか“家”を訪ねたことがありました。放送作家の小山薫堂さんが「ちょっと疲れたり迷ったりしたときに、心の洗濯をしに行くんです」と教えてくれたのです。緑深い清流のそばにぽつんと建っている一軒家に着くと、一人で暮らしている穏やかな笑顔のお母さんが出迎えてくれました。
初めて訪ねたのに、ごく自然に川に面した座敷に通してくれて、「こんなもんしかありませんけど」と、ご飯と味噌汁と漬物を出してくれました。素朴で余計なものを一切感じない、とても美味しい食事でした。僕が食べている間、数日前の大雨の話や年々蛍が少なくなっていることなどを静かに話してくれました。川が流れる音、お母さんの穏やかな話し声、心にしみるご飯と味噌汁と漬物。とても満ち足りた気分になりました。「ああ、居心地がいいなぁ」と心から思いました。
なんとなく居心地がいい、と思う店に出会うことがあります。自然に楽しく、疲れない。一人で行っても肩身の狭い思いをすることがない。笑顔のまま家路につける。そんな店は、客に満足してもらおうとか、旨いと言わせようとか、意識していないのでしょう。普通にやっていることで、客が自然に幸せになる。今はなき「くれない茶屋」のお母さんを思い出し、そんなことを考えます。
真っ当な酒場にも、そんな素敵な関係があるから通ってしまうのでしょうね。

dancyu編集長 植野広生
dancyu2020年11月号
dancyu2020年11月号
第一特集:真っ当な酒場
第二特集:大学いも祭り2020

A4変型判(168頁)
2020年10月06日発売/ 900円(税込)
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写真:本野克佳