いまだに人工栽培ができない松茸は、宿る木(赤松)と気候と天候が噛み合って生まれる。味・香り・食感、どれをとっても別格なのは丹波と摂津の産。焼き松茸・松茸ご飯はもちろんうまいが、松茸と上質な牛肉とのすき焼きは究極の出会いだ。
里山の落ち葉や木々を、肥料や燃料にしていた頃、日本の松茸生産量はピークを記録している。痩せた土地を好む松茸にとって、昭和30年代までの里山は絶好の住まいだった。松茸の成長適温帯は、昼25度・夜15度前後の頃。丹波や摂津の山間部の10月の気候はまさにそう。さらに、この地域特有の早朝の霧も、松茸の生育に絶好の湿り気となる。若々しい赤松を保全する里山の手入れと、丹波・摂津の気候が、最高の松茸を育むのだ。
dancyuドットコム運営会社の(株)食文化は、産直ネット通販の草分け的存在。20年近く、丹波と摂津の松茸を扱い、その累計販売額はゆうに1億円を超える。長年の実績が信用となり、非常に上質な松茸を集めて、ネット販売できる数少ない会社だ。
松茸を毎日のように集めるネットワークがあるから、お届け日の指定も可能となった。松茸は食べる日に心の準備が必要だ。松茸は鮮度が命!届いた日に松茸メインの旬のご馳走を堪能するのが一押し!贈り物の場合でも、この松茸ばかりは先方に事前にお知らせするのが正しい作法。せっかくの最高の松茸。配送日に不在で、受け取れない不幸は、何としても避けたいからだ。
丹波・摂津の松茸でご飯を炊くと、味と香りが優れているだけでなく、音の違いに気づく。松茸を食む音が「サクサク」と聞こえるほど、食感が良い。
定番料理以外に、何としても食べたいのが、すき焼きだ。牛肉に負けない松茸の圧倒的な味と香り。その存在感は驚異的と言っても過言ではない。素人考えでは、松茸が牛肉と割り下(または、醤油や砂糖)に押され、存在感が薄まると思うだろうが、実際には、松茸の味と香りを、牛肉と野菜がまとい、例えようもない美味に変身する。この松茸は凄い!
文:(株)食文化 萩原章史