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ここにしかないイタリア料理「オステリア デッロ スクード」|ちょっと外で呑みたい③

ここにしかないイタリア料理「オステリア デッロ スクード」|ちょっと外で呑みたい③

四谷三丁目にある「オステリア デッロ スクード」は、ただのイタリア料理店ではない。ここで食べることのできるイタリアの郷土料理は、現地で食べるより旨いだろう。東京で味わえるイタリアがここにある。

イタリア一周の旅へ

ティローラーグレーステル
「ティローラーグレーステル」豚肉、きのこ、玉ねぎ、じゃがいもを炒めた、少しこってりとしたイタリア版肉じゃが。
鱒のタルタル
「鱒のタルタル」鱒を使ったタルタル。内陸なので川魚が多い。
マウルターシェン
「マウルターシェン」 爽やかな香りのグリーンピースのピュレを詰めたパスタ。
ヴァイスブルスト
「ヴァイスブルスト」仔牛肉のソーセージ。ドイツにも近いため、似た食文化が根付いている。

チロル風の肉じゃがである“ティローラーグレーステル”は、素朴な滋味に心が緩み、グリーンピースを詰めたパスタは、優しい甘味がじっくりと舌に広がっていく。どれも初めて食べるのに、すっとなじみ、懐かしいような思いがよぎる。噛みしめれば、アルト・アディジェ州の澄んだ空気と、そこに暮らす人々の息遣いが漂ってくる。

2018年に独立した小池教之シェフは、イタリア全土の料理を、4カ月ごとに州を変え提供するという初の試みに挑んでいる。しかも、それぞれの郷土料理に対する情熱が、尋常ではない。
「伝統的な料理を細部まで磨き上げ、未来につながる普遍的な価値観を照らし出すのが、課せられた使命だと信じています」と、熱くシェフは語る。

伝統料理をなぞるだけではなく、食べられ続けてきた理由を考え、低温調理など現代の調理で仕上げる。そのため田舎料理の朴訥さとおおらかさを持ちながらも、極めて洗練されている。おそらく現地でも、これほどまでの料理は稀有だろう。ついに東京のイタリア料理も、ここまで来た。

これぞ、深い見識と高い技術による、世界中のどこにもない料理である。

店主の小池教之さんは、広尾のイタリアン「インカント」で10年シェフを務め独立。
トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、スイスとオーストリアに面している。
予算は1万円~。カード可。16席。禁煙 。2018年2月開店。コペルト500円。

店舗情報店舗情報

オステリアデッロスクード
  • 【住所】東京都新宿区若葉1-1-19
  • 【電話番号】03-6380-1922
  • 【営業時間】18:00~23:00(閉店)前日まで、2名~の要予約。ランチは要問合せ。
  • 【定休日】日曜 他に不定休あり
  • 【アクセス】東京メトロ「四谷三丁目駅」より4分

文:マッキー牧元 写真:鈴木泰介

※この記事の内容はdancyu2019年7月号に掲載したものです。