dnacyu4月号バター特集の取材スタッフに、バターへのアツい思い出を語ってもらいました!本誌記事の「わたしとバター」に収まりきらなかったバター愛あふれるエピソードをご覧ください。
dancyu4月号バター特集の取材スタッフはバター偏愛家ばかり。本誌でも「わたしとバター」という記事で、バターへの愛と思い出を語ってもらいましたが、収まりきらなかった思いをwebで公開します!
まずは、ライター松浦達也さんの多幸感と背徳感が入り混じる、バター初体験エピソードをご覧ください。
『「昭和の(健康)意識高い系家庭」で育ったわが家の定番スプレッドは植物性のマーガリン。バターの味はお歳暮で父親宛てに送られてくる小岩井の純バターで覚えました。クリーム色ではない乳白色は、森の朝もやの中朝日に照らされてキラキラと光るような眩しさ。バターナイフを差し入れ、口に運ぶとそろりと溶けてミルクの香りが鼻にふわあっと上ってきて、なんとも言えない多幸感というか背徳感の初体験でありました。本格的なバターとの蜜月は、高校卒業後のこと。仕上げにぶち込めば何でもかんでも旨くなることを知り、20代の中頃にカルピスバターという化け物を知り。ビーフシチュー、ナポリタン、小倉トースト、卵かけご飯。味の決め手はいつもバター!とりわけ失敗できないときはカルピスバター!気づけば冷凍庫には出番待ちの数々の発酵バターの山が眠っております。』
続いてのエピソードは、カメラマンの三木匡宏さん。発酵バターの威力に驚愕した思い出があるそうです。
『9年前、長男の誕生をきっかけに、自分でパンを焼くようになりました(ホームベーカリーですが)。イースト、小麦粉の種類でパンの味が変わるのはわかっていたのですが、バターのことは気にしていませんでした。あるとき、妻がたまたま買ってきた発酵バター(普通のバターが売ってなかったらしい)で食パンを焼いてみたら、すごく甘い風味でまろやかな食感のパンができて、うれしかった記憶があります。』
驚いたことにライターの北尾トロさんは、風邪をレーズンバターで治してしまうとのこと!まさにバターへの愛がなせる技ですね。
『僕には、20代の頃からやっている、必殺の風邪対策食があるのです。それは「ぐったりしているところを踏ん張って、レーズンパンにバターを塊でのせて牛乳で流し込むように食べまくり、速攻で寝る」というもの。パンはギュッギュッとつぶして小さくします。レーズンとバターの熱量が体温を上げる……かどうか知らないけど、なにかが活性化される感じ。本当にひどいときは別として、汗が出るので、目覚めたら着替える。また寝て、汗をかいたら着替える。そうすると、微熱くらいならすぐ下がるんです。誰からも賛同は得られませんが、僕にはてきめんに効きます!』
バター偏愛家たちのエピソードはまだまだあるので、次回もお楽しみに!
写真:伊藤徹也/竹内章雄