明日、どこに食べに行こう?
鴨愛にあふれた至福の一杯|鴨南蛮で温まろう②

鴨愛にあふれた至福の一杯|鴨南蛮で温まろう②

寒さが厳しくなってくるこの季節は、ぜひ鴨南蛮を食べて温まっていただきたい。鴨、つゆ、蕎麦のバランスが絶妙な名店を2軒紹介します。2杯目は東京・尾山台の「蕎麦前 ながえ、」。

鴨を愛する、超新星!

麗しいピンクの鴨肉が浮かぶ丼にため息を漏らした瞬間、添えられた薬味の小皿が目に入る。「相当の鴨好きがいる店ね……」。

種もの好きがつくった柔らかい鴨南蛮1,500円。鴨は蔵王産の合鴨を使用。焼きねぎの香ばしさもアクセントに。

「ながえ、」の鴨南蛮そばは、低温で蒸し煮にした薄切りの鴨ロース肉がしっとりと柔らかく、肉の旨味甘味が口にあふれる。さらに弾力のあるももの小肉に加えて、ほんのりと山椒が香る鴨つくね。そして本節と宗太節を使ったつゆはほんのりと昆布が香る。鴨を引き立てつつ飲み干せる、よく考えられた一杯である。

蕎麦前セット(5品)1,300円。カジキ鮪の燻製など日替わりの酒肴の盛り合わせで、5品と言いつつ7品くらい付く。
店主の中溝伊織さんと佳子さん夫妻。常時50種もの地酒が揃う。屋号にあるように蕎麦前からぜひ愉しんでほしい。

さて、別添えの鴨について店主の中溝伊織さんに問うてみると「鴨南蛮が大好きなのですが、鴨肉は熱い汁につかると硬くなるでしょ?だから添えたんです。そのまま食べてもいいし、汁でしゃぶしゃぶ風にしてもかまいません」。

これは斬新!別皿で“追い鴨”。だから柔らかい。

わかってらっしゃる!鴨好きのための鴨南蛮がここに誕生した。

店舗情報店舗情報

蕎麦前 ながえ、
  • 【住所】東京都世田谷区等々力4‐9‐3
  • 【電話番号】03‐3701‐6050
  • 【営業時間】11:30~14:00(L.O.) 18:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】火曜 不定休
  • 【アクセス】東急大井町線「尾山台駅」より2分

文:yuka 写真:本野克佳

*この記事の内容は2018年2月号に掲載したものです。