今日は今年最後の中央競馬。平成最後のホープフルS。川嶋光さん、本命はどの馬ですか?天国から教えてください!どーんと当てたら、一緒に美味しいお酒を飲みましょうね。
川嶋光さんが亡くなって、1ヶ月。
実感はあるような、ないような。まだ、ちょっとわからない。
2018年11月28日の夜、川嶋くんから連絡があった。
「今日、父が亡くなりました」
信じられないという想いと、そうかぁという気持ちが半々。
うーん。あぁ。こみあげてきて、川嶋さんとの日々が蘇ってくる。のっしりと歩く川嶋さん、目を細めて笑う川嶋さん、ぼやきが止まらない川嶋さん、感極まって涙を流す川嶋さん、川嶋さん、川嶋さん、川嶋さん......。
11月20日。dancyuのwebが始まるときに、メールで連絡をしたばかりだった。楽しみですと、返信があった。それから何度かやり取りをして、最後は11月22日。その6日後に川嶋さんがいなくなるなんて、思わないよ。
川嶋さんは物書きだ。
僕が編集者として駆け出した頃からだから、付き合いは20年以上になる。
dancyuでも、創刊当時から川嶋さんは筆を揮った。バックナンバーで川嶋光の名前を探す。
『首都圏の知られざる穴場「町の市場」』
『有楽町ガード下の「焼き鳥街」探訪』
『大事な大事な「歯」の話』
『競馬の騎手の減量事情』
『深川名物の屋台“谷やんラーメン”密着ルポ』
『ああ、愛しの「ミルクスタンド」よ』
dancyuのメインストリートからは、ちょっとはずれたタイトルが並ぶ。川嶋さんらしいなぁ。嬉しくなる。
僕が最後に仕事をしたのは、2015年の秋。八街で落花生の取材。そのときに一緒だった写真家の船寄剛さんが元高校球児だと知ると、野球好きの川嶋さんはえらく喜んだ。以来、川嶋さんと船寄さんは“メル友”になって、野球談義。その関係は川嶋さんが亡くなるまで続いた。これもまた、川嶋さんらしいよね。
やさしい人でした、本当に。僕は世話になりっぱなしだった。ずっと気にかけてくれて、いつも応援してくれて、いいときも悪いときも隔てなく接してくれて、大切なことが何かということを教えてくれて......。もう会えないのは、悲しすぎる。悲しすぎるなぁ。
川嶋光さん、本当に本当にありがとうございました。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
dancyu web編集長 江部拓弥
写真:船寄剛