東京・飯田橋にある「ル ジャングレ」は、日本酒飲みもワイン飲みも満足する大人の酒場だ。酒の種類が豊富なのはもちろんのこと、店主の有澤貴司さんがつくるつまみが酒を呼ぶのだ。今回は店でも人気の蝦夷鹿を使った生姜焼きと、大人から子供まで喜ぶハンバーグを提供します!
店は、大通りからほんのちょっと奥に入ったところにある、なんとも心地のいいダイニングといった趣だ。オープンになった大きな厨房と、ざっくり置かれたテーブル席にかしこまった雰囲気は全くなく、客が入れば楽しい賑わいとなる。
広げたメニューには、生ハムもあれば肉じゃがも。フライドポテトやムール貝蒸し(しかも味が10種類以上!)があるかと思えば、土鍋ご飯とおしんこまで。となればお酒の種類も期待してしまう。それを裏切ることなく、日本酒約50種類、ワイン2000本が置いてあるというから、期待のはるか上いく品揃えに感動である。もちろん、生ハムに日本酒を合わせようが、肉じゃがにワインを合わせようが、食べ手次第。店はそんな自由闊達さを楽しんでほしいというスタンスだ。
店主は有澤貴司さん。都内の高級フレンチからホテル、居酒屋まで、さまざまな店を経験して2016年にここをオープンさせた。それぞれのいいところ取りというよりも、多くの店での経験から、客がどうしたら一番喜ぶかを考えた結果が今の店だ。アラカルトで、きちんとした素材を使った料理が楽しめ、充実したアルコールがあるという、居酒屋以上レストラン未満。
気軽な店だが、素材への自信は人一倍あるという。自慢の鹿肉は、北海道・釧路の松野譲さんから。店ではこれをハンバーグやカツレツ、炭火焼きにして出す。最近お気に入りの調味料は、愛媛県の梶田(かじた)商店の巽(たつみ)醤油。いずれも生産者や店主の姿勢に惚れ込んだものである。
そんな素材を使って有沢さんがつくる料理は、オーソドックスな土台の上に、ちょっとした薬味や自家製のソースなどを纏わせ、オリジナリティを出したものが多い。これがまた酒を誘うこと!祭ではそんな一皿が楽しめるので、呑兵衛の皆さんはぜひ「ル ジャングレ」へ。
※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。
文:浅妻千映子 撮影:竹之内祐幸