焼鳥を“料理”へと昇華させたパイオニア「バードランド」が祭で提供するのは、地鶏の最高傑作ともいわれる希少な奥久慈しゃもの燻製と、誰も味わったことのない奥久慈しゃも100%のソーセージの盛り合わせ。力強い奥久慈しゃもの旨味と優しい薫香はビール、ワイン、日本酒などペアリングの相手を選びません。この一皿で祭が何倍にも楽しくなること請け合いです。
この店なくして、現在の焼鳥の隆盛はなかったろう。1987年に店主の和田利弘さんが阿佐ヶ谷にのれんを掲げ、2001年には銀座へと移転した「バードランド」。凝縮感ある味わいと食感の奥久慈しゃもを、紀州備長炭を駆使して精妙な加減で焼き上げ、いまや希少部位として人気のソリレスの価値を焼鳥界に知らしめた。焼鳥で初めて星を取った店としても知られる、日本の焼鳥界の宝だ。
そんな「バードランド」の店主・和田利弘さんが、30年にわたり、ごく親しい友人に手渡してきたギフトがある。“奥久慈しゃもの燻製”がそれだ。
「最初は僕が阿佐ヶ谷で店をやっていた90年代初め、近所の肉屋の燻製器を借りて自分でつくってたんです。でもその店が閉店してしまって、小金井のハム・ソーセージ専門店『ケーニッヒ』の2代目、島崎智融さんに相談したら、とても丁寧な温度コントロールで繊細な燻製に仕上げてくれた。さすが加工肉の本場・ドイツ仕込み!やっぱり餅は餅屋だよね」と和田さん。
今回は初めてつくるという奥久慈しゃもの胸肉、もも肉、皮と脂を使ったソーセージも一緒に盛り合わせに。
「お腹の中の脂まで使うって言われて驚いちゃった。一羽からほんのちょっとしか取れないのに。店で使う奥久慈しゃもをさばくとき、脂を少しずつ取り貯めて、ようやく祭で使う分量を確保できました」
焼鳥界のパイオニアが切り拓く、新たな地平。限られた友人のためのギフトである「奥久慈しゃもの燻製」と誰も味わったことのない「奥久慈しゃものソーセージ」という超限定セットは祭だけで出会える味わいだ。
※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。
文:松浦達也 撮影:伊藤菜々子