一説によると12月23日から3日間、毎日ホールでクリスマスケーキを買うほど洋菓子好きの宇都宮市民。かの地でその名を知らぬ甘党はいないと言われる「コボリ洋菓子店」が、人気商品を携えてdancyu祭にやってきます。出店は27日(土)のみ。B1フロアでお待ちしています!
入れかわり、立ちかわり、ひっきりなしに客がくる。人気のショートケーキやシュークリーム、看板商品の“下野(しもつけ)カスター”が飛ぶように売れては、厨房からつくりたてのケーキがショーケースに並ぶ。従業員30名、駐車場は5か所に設け、週末となれば渋滞になるほどだ。決して便利な場所ではない宇都宮駅から離れた住宅地で、これほど人を惹きつけるものは一体……?
「コボリ洋菓子店」の虜になった人は、この店を“ハッピーオーラが全開”という。なるほど、働いている店員の笑顔がいい。ケーキの大きさや形がいい。甘い香りが心地いい。値段もリーズナブルとくれば、誰もがハッピーになれる。しかも“忘れられない味”というご褒美付きだ。
店を切り盛りする二代目・小堀正弘さんは「毎日食べても飽きないケーキを目指しています」と照れながら言う。味の想像のつかない、いわゆる“パティスリー”系のケーキではなく、子供から大人まで、誰もが好きなド・定番のケーキで勝負している。ショートケーキの柔らかそうなクリームやスポンジは、見るからにおいしそう。「うちのケーキで一日を締めくくってくれるなんて幸せです」という小堀さんの言葉通り、必ずシュークリームを買って帰宅するサラリーマンもいる。ハッピーが飛び交う「コボリ洋菓子店」は、これからも地元の人に愛され続けること、間違いない。
あふれんばかりのクリームが入ったシュークリームは、意外や意外、ペロリと完食できる。とにかくクリームが軽いのだ。秘密は2種類のクリーム。下層に詰める濃厚なカスタードは、生クリームと混ぜ合わせて口溶けなめらかに、その上に絞る生クリームは空気のようにふんわりと仕上げる。この軽やかさこそが「コボリ洋菓子店」のなせる技である。
受け止めるシュー生地にも一工夫ある。バリッと香ばしく焼き上げたあと、上下を切り分けてからさらに内側を数分オーブンで焼くのだ。こうすることで、クリームを詰めてからもしばらく香ばしさが続き、シュークリームのおいしさを維持しているってわけ。病みつきになるおいしさには、理由があるのだ!
dancyu祭では、本誌で紹介したシュークリームのほかに、「コボリ洋菓子店」の人気商品も販売する。看板商品の“下野カスター”は、もちもちふわふわの生地に生クリームベースのオリジナルクリームを詰めたパフケーキ。手土産として爆発的な人気を誇る“シュクセ”は、ナッツ、チョコ、栗が入るバターケーキをチョコレートとナッツでコーティングした焼き菓子。冷蔵庫で冷やしても違う味わいが楽しめる。ミルキーな餡をしっとりした生地で包んだ和スイーツ“宮ミルキー”もぜひ。
いずれもお値段は、採算度外視の100円!「お祭りだから、お客さんに喜んでいただければそれでいいです」と小堀さん。泣ける……。コボリのお菓子を食べて、体の中からハッピーになりましょう。
(コボリ洋菓子店の出店は4月27日土曜日のみ)
文:石出和香子 撮影:長嶺輝明、伊藤奈々子