ラーメン懐石をクローズドな空間でいただく東京・恵比寿の「GENEI.WAGAN」。知る人ぞ知る店の肉好き店主入江瑛起さんが、飲まずにはいられない肉料理2品をひっさげて祭に登場!酒を片手に、B1の料理ブースへGO!
広尾と恵比寿のちょうど中間にある、知る人ぞ知る完全会員制のラーメン店。店主の入江瑛起さん曰く、「コンセプトは、オフのスイッチを入れて非日常を味わえる店」。つまり、平日でも週末に入れるオフのスイッチを入れて、リラックスして楽しもう!というわけ。
いわゆるラーメン店とはまったく勝手が違い、入店の際はビル地下にあるくら~い扉の前にて、インターフォンで名前を告げるというシステム。そしてメニューは、前菜から始まるコース仕立ての斬新なラーメン懐石なのである。
入江さん入魂のラーメンがまた普通じゃない。部品を自ら組み立ててつくったという製麺機で、加水率47%の麺を生み出す(標準麺は35%ほど)。たっぷり水分を含んだ麺は、コシがあってどこまでものびやかだ。ラーメンの基本調味料にしている醤油も、干しエビなどの風味をつけたオリジナルだというから恐れ入る。
会員制の「GENEI.WAGAN」で楽しめるのは、全10品からなるコース仕立てのラーメン懐石。ある日のメニューは、自家製醤油を焼きアゴのだしで割った汁からはじまり、イクラと海月(くらげ)のラーメンパフェ、チャーシューのジャスミンティー煮などの独創的な料理を経て、メインのラーメンへ突入。
メインのラーメンは、来店のたびにメニューが変わるというユニークな仕掛け。初来店では、焼きアゴのダシが堪能できるシンプルな醤油ラーメン。2回目は海老風味、3度目は味噌味で、4度目は担々麺。そのあとは、入江さんが考案した個性派メニューが登場。回を重ねるごとにラーメンの新しい世界が切り開かれる。
今回のdancyu祭では、入江さんの好物である肉をメインにメニューを構成。お店のコースの中でも人気のある肉料理を祭で味わおう!
祭で振舞うのは酒がすすむ肉料理2品。モツ鍋をアレンジした“和牛モツ煮込み”は、脂がたっぷりついた小腸をオリジナルの醤油と味噌で煮込んだ一品。根菜もしみじみとおいしくて、日本酒を呼ぶ味わいだ。
“イベリコ豚中落ちカルビのアラビアータ”は、イベリコ豚のなかでも、どんぐりを食べて育った最高ランク“イベリコベジョータ”を使用。トマトと赤ワインでじっくり煮たイタリア風で、赤唐辛子のピリッとした辛さに食欲が刺激される。ソースも絶品。パンでぬぐって食べつくしたい!
肉の甘み、旨みを追い求めて辿りついた煮込み料理2品、どちらも見逃せません!
文:安井洋子 写真:富貴塚悠太