
カニカマを使って簡単につくれるちらし寿司は、マヨネーズと海苔の風味で世代を問わず喜ばれる美味しさ! 休日のランチにパスタをつくるような手軽さで、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうというこの連載。第21回は「カニカマのクイックちらし寿司」を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。
日本が生んだ世界に誇る発明品、カニカマ(カニ風味かまぼこ)。サラダにのせたり、冷やし中華や太巻の具にしたり、カニ玉っぽく仕上げてみたりと使い勝手がいい食材ではある。だけど、カニカマそのものをご飯のおかずにすることって、意外と少ないかも? マイマイ先生、カニカマを使った、子供からお年寄りまでモリモリご飯が進むようなメニューってありませんか?
「それはもう、ちらし寿司にするのが一番でしょう! カニカマはざっくり手でほぐしてから、少なめのマヨネーズで和える。あとは寿司酢で簡単につくった寿司飯の上に、野菜を切ってのせるだけ。火を使わずに気軽に仕上がるので、暑い日のランチにうってつけですよ!」
| カニ風味かまぼこ | 6本 |
|---|---|
| 紫玉ねぎ | 1/4個 |
| レッドキャベツスプラウト | 1/2パック |
| 刻み海苔 | ひとつまみ |
| マヨネーズ | 小さじ1 |
| 黒胡椒 | 適量 |
| ★ 寿司飯 | |
| ・ 米 | 1合 |
| ・ 昆布 | 5g(乾燥) |
| ・ 水 | 180ml(米と同量が目安) |
| ・ 寿司酢 | 大さじ1.5(*) |
*市販の調味済み寿司酢を使用。真藤さんは甘さ控えめの飯尾醸造「富士手巻き寿司酢」を使っている。
水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。
深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。Aをよく混ぜてご飯にまんべんなくかけ、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。
*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック
カニカマは手で大きめにほぐしてマヨネーズを和える。マヨネーズはカニカマに薄くまとわせる程度で十分。紫玉ねぎは薄切りにする(水にさらさないほうが栄養価を損なわないが、小さい子供も食べる時には水にさらしてもOK)。レッドキャベツスプラウトは根元を切る。
皿に寿司飯を広げ、刻み海苔を全体に散らす。2のカニカマを満遍なくのせ、隙間に紫玉ねぎを置いていく。レッドキャベツスプラウトを散らし、仕上げに黒胡椒をふって完成(子供も食べる時には黒胡椒を省いてもOK)。


ざっくりと大きめにほぐされたカニカマ、そして紫玉ねぎとスプラウトが皿の上で自由な線を描く。まるで真夏の日差しを浴びて乱反射する波頭のように、躍動感あふれる盛り付けだ。
その一角を取り分け、口に運んで驚いた。カニカマ本来の旨味や風味、紫玉ねぎの柔らかな辛味、レッドスプラウトのシャキッとした食感、寿司飯のやさしい酸味と甘味のバランスが完璧なのだ。それらすべてを結びつけるいい仕事をしているのが、マヨネーズと刻み海苔だ。マヨ味の主張はごく控えめで、むしろ存在を消しているかのよう。ほのかな酸味と油分のコクで、カニカマと野菜と寿司飯それぞれの魅力をリンクさせる。そして刻み海苔は、カニカマの味わいにある磯っぽさを膨らませて、寿司飯との相性を後押しする。
「ポイントはマヨネーズを入れすぎないこと。あと、ここに醤油が入ると家庭的すぎる味わいになってしまうので、あえて使わないことかな」(真藤さん)
正直、カニカマとマヨネーズの組み合わせと聞いた時は、マヨネーズを前面に感じる味付けなのかなあとなんとなく想像していたのだが、いやいやまったく。想像を軽く超えてくる、上品でいてしっかりと満足感もある美味しさ。本物のカニではなく、カニカマだからこそたどり着けるちらし寿司の到達点。しかも、つくるのもめちゃくちゃ簡単! マイマイ先生、お見事です。


東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵野菜のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。
文:宮内 健 写真:伊藤徹也