日曜は、ちらし寿司をつくる。
【赤酢、レモン果汁、ワインビネガー】ちらし寿司は、寿司飯の酢を使い分けることでさらに旨くなる!

【赤酢、レモン果汁、ワインビネガー】ちらし寿司は、寿司飯の酢を使い分けることでさらに旨くなる!

休日のランチにパスタをつくるような感覚で、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうという新連載「日曜は、ちらし寿司をつくる。」。基本のシンプルちらしのレシピを習って、ちらし寿司をつくることへのハードルがグンと下がった前回に続く第2回は、料理家の真藤舞衣子さんに寿司飯に使う酢について詳しく教わります。

「魚の刺身や肉のロースト、フルーツ……ちらし寿司には何をのせてもいいんです!」。自由な発想と確かなセンスで、ちらし寿司の可能性と味わいのバリエーションを拡張していくマイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さん。第1回で筍と錦糸卵と木の芽だけのシンプルちらしを教わって、僕とちらし寿司との距離はグッと縮まった感アリ。なるほど、あとは寿司飯にのせる具材だけどんどん替えていけばいいんだから、こりゃ簡単だと思っていたら……。

「ちょっと待って!純米酢を使う基本の寿司飯は、いろいろな具材を受け止める懐の深さがあるけれど、使う酢を替えることでおいしさがさらにビシッと決まるんです!私が寿司飯に使っている酢を、ズラッと揃えてみました」(真藤さん)

酢
ちらし寿司連載で使用する酢。左から純米酢、赤酢、手巻き寿司酢(すし酢)、白ワインビネガー、レモン果汁。

赤酢やすし酢はわかるけれど、白ワインビネガーも寿司飯に使えるんですか!?

「食材に合わせてワインをペアリングするような感じで、どの酢を合わせるかを考えるとイメージしやすいです。たとえば帆立や白身魚のような淡白な味わいの魚介類だったら、爽やかなソーヴィニヨンブランが合うかなと思ったりするでしょ?それと一緒で、じゃあ白い酢を使ってみよう。そこで帆立にディルのようなハーブを添えるなら白ワインビネガーの風味が合ってくる。たとえば帆立を昆布〆して青山椒も添えるなら純米酢が合う、みたいな感じですね」(真藤さん)

なるほど。寿司飯のベースとなる酢を替えることで、具材の味わいと米の旨さをアジャストしていくわけだ。ちらし寿司、奥が深いぜ。

「そうそう。鰹や鴨肉だったらコクのある赤酢。脂ののったサーモンにはレモン……と、使う具材を起点にして酢を選んでいくと、ちらし寿司はもっとおいしく、もっと楽しくなりますよ!」(真藤さん)

ということで、酢の種類ごとの味わいや使い分けのコツを、マイマイ先生に教えてもらいましょう(今後の連載で登場予定のちらし寿司のチラ見せ予告つき!)。

純米酢でつくる基本の寿司飯

酢
純米酢。この連載では、ミツカン純米酢を使用。
鯛そぼろのちらし寿司
春を満喫する鯛そぼろのちらし寿司は、連載第4回に登場予定。

原材料を米のみでつくるのが「純米酢」。アルコールを加えてつくる「米酢」よりも、旨味が濃くまろやかな風味が特徴。さらに丸味や味わいを加えるために砂糖や塩と合わせて使う。「醤油やだしで味付けするオーソドックスな具材を使ったちらし寿司には、純米酢の寿司飯が合いやすいですね。お子さんも食べる場合は砂糖を少し足すなど調整してみてください」(真藤さん)。

材料材料 (2人分)

1合
昆布5g(乾燥)
180ml(*米と同量が目安)
A
 ├ 純米酢大さじ1.5
 ├ きび砂糖小さじ1
 └ 塩小さじ1(天然塩 *1)

*1 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。

1米を炊く

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

米を炊く

2合わせ酢をつくる

Aをボウルに入れ、よく混ぜる。

3ご飯と酢を混ぜる

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。2の合わせ酢をご飯にまんべんなくかけたら、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

ご飯と酢を混ぜる
ご飯と酢を混ぜる
ご飯と酢を混ぜる

赤酢でつくる寿司飯

酢
真藤さんが愛用する赤酢は、内堀醸造の美濃三年酢。
鰹のたたきの飲めるちらし寿司
鰹のたたきの飲めるちらし寿司は、連載第3回で紹介。

江戸前寿司に使われることが多い赤酢は、酒粕を主原料にして長期熟成させてつくられる。米酢よりも刺激が少なく、酸味がまろやかで香り豊か。またアミノ酸由来の深い旨味が特徴。「鰹や鮪など赤身の魚や、鹿や鴨などの肉を使ったちらし寿司に。酒のつまみになる寿司飯ですね」(真藤さん)。

材料材料 (2人分)

1合
昆布5g(乾燥)
180ml(米と同量が目安)
A
 ├ 赤酢大さじ1.5
 └ 塩小さじ1(天然塩 *1)

*1 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。

1米を炊く

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

2合わせ酢をつくる

Aをボウルに入れ、よく混ぜる。

3ご飯と酢を混ぜる

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。2の合わせ酢をご飯にまんべんなくかけたら、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

ご飯と酢を混ぜる

手巻き寿司酢でつくる寿司飯

酢
10年熟成の赤酢と2種の米酢をブレンドし、塩で調味した飯尾醸造の富士手巻きすし酢。
桜海老とキャベツのちらし寿司
クイックにつくれる桜海老とキャベツのちらし寿司は、第5回に登場。

米酢をベースに塩や砂糖、だしなどの調味料を加えた「すし酢」。手間をかけずにちらし寿司をつくりたい時には、これが重宝するのだ。各メーカーから販売されていて、銘柄ごとに味わいも様々だが「中でも私がよく使うのは、富士手巻きすし酢。赤酢のコクがあって、砂糖を使っていないから甘さもなく、いろいろな具材に合わせやすいんです」(真藤さん)。

材料材料 (2人分)

1合
昆布5g(乾燥)
180ml(*米と同量が目安)
手巻き寿司酢大さじ1.5

1米を炊く

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

2ご飯と酢を混ぜる

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。手巻き寿司酢をご飯にまんべんなくかけたら、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

白ワインビネガーでつくる寿司飯

酢
フルーティーで爽やかな酸味が特徴の白ワインビネガー。
帆立とそら豆、夏みかんを使った爽やかなちらし寿司
帆立とそら豆、夏みかんを使った爽やかなちらし寿司は、第7回に登場予定。

白ブドウの果汁を原料とした醸造酢。これも寿司飯に使っていいのだ!「白ワインビネガーは、米酢に比べてクセのないマイルドな酸味と果実の柔らかい甘味があるので、そのまま酢飯に使えますよ。帆立や白身魚のような淡白な魚介や、アスパラやそら豆などの青い風味に合わせたいですね」(真藤さん)。

材料材料 (2人分)

1合
昆布5g(乾燥)
180ml(*米と同量が目安)
白ワインビネガー大さじ1
きび砂糖小さじ1
小さじ1(天然塩 *1)

*1 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。

1米を炊く

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

2ご飯と酢を混ぜる

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。白ワインビネガーをご飯にまんべんなくかけたら、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

レモン果汁でつくる寿司飯

レモン果汁
レモン果汁の、フレッシュな酸味がちらし寿司の新たな扉を開く。
スモークサーモンとアボカドのちらし寿司
スモークサーモンとアボカドのちらし寿司は、第8回に登場予定。

柚子や甘夏の果汁でいなり寿司やばら寿司をつくる地域もあるのだから、レモン果汁を使うちらし寿司だって全然アリ!「醸造酢でつくる寿司飯とはひと味違う、爽やかなおいしさ。料理にレモンを搾るようなイメージで、サーモンやアボカドのような油脂分のある具材にはレモン果汁でつくる寿司飯が合うんですよ」(真藤さん)。

材料材料 (2人分)

1合
昆布5g(乾燥)
180ml(米と同量が目安)
A
 ├ レモン果汁大さじ1(レモンの酸味によって量を加減する)
 ├ きび砂糖小さじ1
 └ 塩小さじ1(天然塩 *1)

*1 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。

1米を炊く

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

2合わせ酢をつくる

Aをボウルに入れ、よく混ぜる。

3ご飯と酢を混ぜる

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。2の合わせ酢をご飯にまんべんなくかけたら、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

教える人

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。

文:宮内 健 写真:伊藤徹也

宮内 健

宮内 健 (編集者、ライター)

1971年、東京生まれ。音楽誌『bounce』『ramblin'』編集長を歴任し、フリーランスの音楽ライター、編集者として長らく活動している。2010年以降「食」や「酒」に関してもテリトリーを広げ、2018年から2024年まで『dancyu』編集部に在籍。数々の特集記事の企画編集や執筆を手掛けた。