
焼酎好きが通い詰める八丁堀の名酒場「だけん」で今春開催した「焼酎のつまみ教室」。店主の井上亮さんに、いまお薦めしたいつまみと焼酎のペアリングを指南していただきました。第1回は、鶏むね肉のハムに、オレンジディルソースを合わせた甘酸っぱい一皿。合わせるのは、14度と低いアルコール度数で、柑橘のニュアンスがある「黒木本店」の芋焼酎「球―Q―」。鶏ハムをつくって、冷えた焼酎をワイングラスに注いだら、完璧な夏の夕暮れが完成します。

焼酎を見つめ続けて20年以上。蔵元から絶大な信頼を集める焼酎の伝道師。パートナーの奈美さんと共に店に立ち、自ら厳選した焼酎・泡盛を200種以上を取り揃える。九州産の素材を生かした料理とのペアリングも秀逸で、月1度、蔵元を呼んでペアリングイベントも開催。

| 鶏むね肉 | 250グラム |
|---|---|
| 塩 | ふたつかみ |
| 砂糖 | ふたつかみ |
| ブラックペッパー | 適量 |
| オレンジ | 2個 |
| オリーブオイル | 大さじ3 |
| ソース用の塩 | 小さじ1/2 |
| ディル | 1枝 |
鶏むね肉の皮を剥ぐ。身の面を上にして、分厚い部分を削いで薄くする。

ラップを2枚重ねにして下に敷き、その上で、鶏むね肉の身の部分に塩と砂糖をふってから、くるっと丸める。厚いと火入れにムラが出るので、できるだけギュッと押しつけながら丸めるとよい。

丸めたら、黒胡椒をふる。

キャンディを包む要領で、鶏むね肉をラップで包み、さらにもう一重ラップでぴったりと包む。最後に、両端をキュッと結ぶ。こうすることで、湯煎で茹でるときの湯が中に入らなくなる。



沸騰したお湯にラップで包んだ鶏胸肉を入れ、火を止める。皿などを上から乗せて、鶏むね肉が完全に湯の中に浸かるようにする。大きめの鍋のほうが温度が下がらないのでおすすめ。


オレンジを3cm角程度にカットし、ボウルに入れる。オリーブオイルと塩、ディルを加えて混ぜる。オレンジの水分とオイルで乳化させるように、しっかりととろみがつくまで混ぜるのがポイント。オリーブオイルは加熱用ではなく、エキストラバージンオリーブオイルを使用する。

30分後、湯から鶏むね肉を取り出し、ラップを取り除いたら、1cm程度の厚さにカットする。


カットした鶏むね肉を皿に並べ、その上からソースをかけて完成。

ディルとオレンジが香る、晴れた日にテラスで食べたい気分の前菜。ラップで密閉して調理しているから、肉のしっとり感も増し増しに。鶏むね肉のさっぱりとした旨味は爽やかな柑橘と相性良し。ゴロゴロと果肉を大きめにするのもポイント。

度数14%で優しい飲み心地の芋焼酎。マンゴーや白い花を思わせる可憐な香りは「洋風の味わいと相性がいい」と井上さん。樽熟成させた原酒もブレンドされていて、樽香とソースのオレンジのニュアンスがこれまたピタリと合う。
文:井上麻子 撮影:五十嵐一晴