
ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうという新連載「日曜は、ちらし寿司をつくる。」がスタート!気軽につくれて新鮮な驚きを感じられるちらし寿司を、料理家の真藤舞衣子さんが提唱していきます。第1回はシンプルだけど春を存分に感じられる、基本のちらし寿司を教わります。
ちらし寿司って、お祝い事の宴席やちょっとしたパーティーなんかで出てきたら、パッと晴れやかな気分になって場も盛り上がるもの。しかし、いざ自分でつくろうとなると、あれこれ用意するものが多そうで、なんだかハードル高く感じてしまう……。
「いえいえ、ちらし寿司って基本のつくり方と流れさえ覚えれば、とっても簡単にできちゃうんですよ!米1合分からさっと調理できるので、休日のランチにパスタをつくる感覚で気楽につくれるんです」
そう力説するのは、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さん。

たしかにパスタをつくる感覚でできるなら、ちょっとチャレンジしたくなる!でも僕は酒飲みなもので、具材や寿司飯が甘ったるいものが多い印象もあるから、ちらし寿司づくりになかなか食指が伸びない、というのがありまして。
「私もお酒が好きだから、あまり甘い味つけは好みじゃなくて(笑)。だから私がつくるちらし寿司は、すべて酒のつまみになります!(きっぱり)。そうそう、ちらし寿司とパスタの共通する部分をもう一つ挙げるとすれば、旬の味わいをふんだんに楽しめるということ。具材なんて、魚の刺身や肉のロースト、野菜にハーブにフルーツ……何をのせてもいいんだから。それに、つくり置けばテーブルの上に起きっぱなしでも長持ちするから、自宅でのパーティーや飲み会にだって最適なんですよ」(真藤さん)
「つくり方に慣れるためにも、まずはシンプルなちらし寿司に挑戦してみましょう!具材は春らしく筍と木の芽、そして錦糸卵。この3つだけで、心も華やぐちらし寿司ができますよ」(真藤さん)
| ★ 寿司飯用 | |
|---|---|
| ・ 米 | 1合 |
| ・ 昆布 | 5g(乾燥) |
| ・ 水 | 180ml(米と同量が目安) |
| A | (*1) |
| ├ 純米酢 | 大さじ1.5 |
| ├ きび砂糖 | 小さじ1 |
| └ 塩 | 小さじ1(天然塩 *2) |
| ★ 味つけ筍用 | |
| ・ 筍 | 180g(小1/2本)(ゆでたもの) |
| ・ 薄口醤油 | 大さじ2 |
| ・ 水 | 210ml |
| ★ 錦糸卵用 | |
| B | |
| ├ 卵 | 2個 |
| ├ きび砂糖 | 大さじ1 |
| ├ 片栗粉 | 小さじ1 |
| ├ 塩 | 小さじ1 |
| └ だし | 大さじ2(なければ白だし小さじ1、水大さじ1) |
| ・ 太白ごま油 | 適量 |
| 木の芽 | 適量 |
*1 Aはよく混ぜておく。
*2 天然塩は小さじ1、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい。
水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。
深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。ご飯にAをまんべんなくかけて、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。



*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック
筍は5mm幅の薄切りにする。鍋に水と薄口醤油を入れ軽く煮立たせたら筍を加え、薄く色づくまでに含める。

Bをよく混ぜ合わせる。熱したフライパンに油を引き、薄く広げながら焼く。火から下ろし粗熱が取れたら、5mm幅の細切りにする。

皿に寿司飯を広げ、錦糸卵を全体に広げるようにのせる。色味のバランスを意識しながら、筍と木の芽を盛り付ける。

筍の淡いクリーム色、錦糸卵の鮮やかな黄色、木の芽の若々しい緑色。それらを白く艶やかな寿司飯と一緒に頬張れば、口の中に幸せが満ち溢れる。寿司飯は酸味も甘味も穏やかで、米の旨味をしっかり感じる。シャキッとした筍を噛めば春の息吹を感じる風味が広がって、それを卵のまろやかな味わいと木の芽の清々しい香りが包み込む。こんなにシンプルだけど気分が上がる、これは完全なる“もてなし飯”だ!ホップの苦味が軽やかに効いたビール、あるいはうっすらとガス感のあるおりがらみの日本酒と合わせたくなる。
昨日までの1週間を労い、明日からの1週間を楽しく過ごすためのちらし寿司。これから毎週日曜日は、そんな楽しいちらし寿司のレシピをマイマイ先生に教わっていきます!

東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵料理のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。
文:宮内 健 写真:伊藤徹也