
dancyu2025年夏号の特集は「野菜料理」。野菜料理の仕上がりを格段に上げる、お薦めの酢と使い方を人気シェフに習いました。今回は西荻窪の人気フレンチ「ビストロ・サン・ル・スー」の金子淑光シェフによる、フランボワーズビネガー(ラズベリービネガー)を使った“サラダタブレー”をご紹介します。
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金子シェフ曰く、「フレンチにおいてビネガーはなくてはならない存在」。なかでも長年愛用しているのが、フランボワーズビネガーだ。甘く爽やかな香りが料理に華を添え、他のビネガーにはない風味をまとわせてくれる。
「肉を煮込む時に大量に使うと、素材の甘味が増す。クリームと合わせれば独特のコクが出る。サラダのドレッシングにするならば、酸を立たせて味わいのアクセントにします」
「サラダタブレー」は、『ビストロ・サン・ル・スー』でも人気のメニュー。ミントとビネガーの爽やかな香りが鼻を抜け、プチプチとしたクスクスと角切り野菜の食感のコントラストが楽しく、なんとも食欲をそそるのだ。味の要は、自家製ビネグレッドソース。フランボワーズビネガーのチャーミングな香りと、赤ワインビネガーのキュッとした酸を掛け合わせたドレッシングで、この店のすべてのサラダに使っている万能品だ。
なお、「サラダタブレー」の楽しみ方は多種多様。サッパリとした味わいなので前菜の合間に箸休めのように食べてもよし。葉野菜にかけてサラダのアクセントにするのもアリだ。
「ラタトゥイユと合わせると、クスクスがラタトゥイユの水分を吸い込んでよく馴染み、さらに美味しくなります。年末につくるお節セットでは、茹でた魚介類(タコやイカ、ホタテ)やスモークサーモンと和えています」
と、金子シェフ。いわば、前菜の名脇役のような料理なのだ。
フランボワーズビネガー | 80g |
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赤ワインビネガー | 80g |
おろしにんにく | 1片分 |
サラダ油 | 80g |
EVオリーブオイル | 180g |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
ボウルにフランボワーズビネガー、赤ワインビネガー、塩、胡椒を入れ、塩が溶けるまでよく混ぜ、にんにくを加えて混ぜる。
サラダ油、オリーブオイルを少しずつ加えながらよく混ぜる。
※使い切らなかった分は冷蔵庫でストックしておくと、さまざまな野菜に使えて便利。
A | |
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・ クスクス | 50g |
・ EVオリーブオイル | 小さじ1 |
・ 塩 | ふたつまみ |
・ 胡椒 | 少々 |
B | |
・ パプリカ | 1/2個(赤、5mmの角切り) |
・ ピーマン | 1/2個(5mmの角切り) |
・ きゅうり | 1/2本(5mmの角切り) |
パセリ | 20g(葉の部分、みじん切り) |
ミントの葉 | 10枚 |
ビネグレットソース | 20g |
フランボワーズビネガー | 10g |
EVオリーブオイル | 適量(香りづけ程度) |
熱湯 | 50ml |
ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせたあと、熱湯を注いで全体を混ぜ合わせ、ラップをかけて10分蒸らす。
ボウルに①とBを入れて混ぜ、全体がなじんだらパセリを加えてさらに混ぜる。
ビネグレットソース、オリーブオイル、フランボワーズビネガーの順に加えていき、その都度よく混ぜる。
ミントは茶色く変色しやすいので混ぜる直前にみじん切りにする。
③に④を加え、よく混ぜる。
かねこ・よしみつ●1959年、福島県生まれ。スープ・ド・ポワゾンなど今では珍しい正統派フレンチを提供し、20年以上通う常連客もいるほど愛されている。
文:吉田彩乃 写真:海老原俊之