手づくりおやつの時間です
おやつの王様"いちごのショートケーキ"

おやつの王様"いちごのショートケーキ"

いちごのショートケーキと言えば、まさにスイーツの中の王様といってもいい一品です。クリスマスや家族の誕生日など、特別な日にチャレンジしてみてください。心沸き立つ手づくりおやつのレシピを菓子研究家の本間節子さんに教えてもらいました。

“いちごのショートケーキ”のつくり方

卵をきめ細かく泡立てて焼いた、ふんわりと柔らかな口溶けの生地にいちご風味のシロップをたっぷりとしみ込ませます。仕上げの生クリームは思っているより柔らかめに泡立てるのがコツ。丁寧にやろうと何度もペタペタといじらずに、スパッと手早く塗ると、ムラなくきれいにデコレーションできますよ。

材料材料 (15cmの丸型1台分*)

★ スポンジ生地
・ 卵2個
・ 砂糖60g(ビートグラニュー糖)
・ 薄力粉60g
・ 米油10g
・ バター15g(食塩不使用)
★ シロップ
・ 水5ml
・ 砂糖20g(ビートグラニュー糖)
・ いちご1粒分(輪切り)
・ キルシュ5ml
生クリーム30ml(乳脂肪分47%)
砂糖20g(ビートグラニュー糖)
いちご適量(約1〜2パック)(*)

*丸型はアルミ製のもので、オーブンシートを敷かずに使用。フッ素樹脂加工を施していない底が抜けるタイプが最適。焼き上がったスポンジを型ごと逆さまにして冷ます際、生地が型に貼りつくため、型から滑り落ちずにつぶれず、形よく冷ますことができる。

*いちごの使用量は粒の大きさによって加減する。

1バターを溶かす

小さなボウルに米油とバターを入れて湯煎で溶かし、冷めないようにしておく。オーブンは160℃で予熱しておく。

バターを溶かす

2卵を溶く

大きなボウルに卵を割り入れ、ハンドミキサーでほぐしたら、砂糖を加えて低速で混ぜ始め、砂糖がなじんだら高速にして泡立てる。

卵を溶く

3生地をなめらかにする

生地をすくうと羽根の中に少しの間たまってからゆっくり落ちていくくらいしっかりと泡立ったら、低速にする。羽根を浮かすようにして、生地の表面に浮いている大きな泡をつぶし、なめらかに整えるように混ぜ続ける。

生地をなめらかにする

4薄力粉を加える

③に薄力粉をふるい入れ、泡立て器でボウルの側面から底面にかけて全体をなぞるよう、生地をすくい上げながら混ぜる。

薄力粉を加える

5バターを加える

粉気がなくなったら①の米油とバターを加え、ゴムベラで混ぜる。

バターを加える

6生地を焼く

⑤を型に流し入れ、表面を平らにならしたら、予熱しておいたオーブンに入れて25〜30分焼く。

生地を焼く

7冷ます

焼き上がったら、オーブンペーパーを敷いた網の上に型ごと逆さまに置き、粗熱が取れたらそのまま冷蔵庫で冷やす。こうして冷ますと生地の表面が沈んだりせず、形よく仕上がる。

冷ます

8シロップをつくる

スポンジを冷ます間に、小鍋にシロップの材料を入れて中火にかけ、混ぜながら沸騰させる。火を止めて、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。この間にいちごの色と香りがつく。

シロップをつくる

9型からスポンジを取り出す

⑦の生地と型の間にパレットナイフを入れ、側面をぐるりとこそいで剥がす。逆さまにして型をはずし、底板もこそいではずす。

型からスポンジを取り出す

10スポンジをカットする

生地の上下を返し、下から3cm、上から2cmの厚さに切る。クリームやいちごの重さで生地が少しつぶれることを踏まえ、下段を厚めにしておくのがポイント。焼き色のついた表面も薄く切り取ると、仕上がりの断面がきれいになる。

スポンジをカットする

11いちごをカットする

いちごは洗って水気を拭き取り、ヘタを取る。生地に挟むいちごは大きければ縦半分に切る。小さいものなら丸ごとでよい。飾り用には丸ごと使う。

いちごをカットする

12クリームをつくる

ボウルに生クリームと砂糖を入れ、氷水の入ったボウルに底を当てながらハンドミキサーの低速で泡立てる。5分立て程度(持ち上げるとすぐ、とろりと落ちてくるくらい)になったら、半量を別のボウルに移して冷蔵庫で冷やしておく。残りの生クリームは8分立てにする。

クリームをつくる

13シロップを塗る

スポンジ下段の表面と側面に⑧のシロップを塗る。シロップのいちごは風味づけなので使わない。

シロップを塗る

148分立ての生クリームを塗る

⑬の表面全体に8分立ての生クリームを塗り、いちごを生地からはみ出さないように敷き詰めたら、その隙間を埋めるように上からも生クリームを塗る。

8分立ての生クリームを塗る

15スポンジの上段をのせる

スポンジ上段の下になる面にシロップを塗り、⑭にかぶせたら、上面と側面にも残りのシロップを塗る。

スポンジの上段をのせる

16生クリームの下地塗りをする

8分立ての生クリームの残りを⑮の上にすべてのせて下地塗りをする。パレットナイフで生クリームを全面に塗り、余分な生クリームを取り除きながら表面をならしたら、そのまま30分ほど冷蔵庫で冷やす。この時点で台から器に移しておくとよい。

生クリームの下地塗りをする

176分立ての生クリームをのせる

⑫で冷やしておいた生クリームを取り出す。時間を置いて少しゆるくなっているので再度氷水にボウルの底を当てながら6分立て(柔らかいソフトクリームくらい)にし、⑯の上にすべてのせる。

6分立ての生クリームをのせる

18生クリームを整える

パレットナイフで生クリームをまんべんなく広げ、上面から順に側面まで整える。上面はスパーッと勢いよく、側面はナイフの先を使ってラフに塗っていくのがポイント。何度も触ると生クリームが固くなってきれいに仕上がらないので、ナイフに残った生クリームはボウルの縁でこそげ取りつつ、下に垂れた余分な生クリームも無理に広げずボウルに戻しながら、手早く作業する。この状態で再度冷蔵庫に入れて冷やす。

生クリームを整える

19仕上げ

飾り用のいちごを上面にバランスよく盛りつける。

仕上げ
完成

教える人

本間節子 菓子研究家

本間節子 菓子研究家

自宅での少人数制のお菓子教室「atelier h」(アトリエ・エイチ)主宰。日本茶インストラクター。洋菓子店勤務、お菓子教室通いなどを経て独立。季節感と素材の味を大切にした、毎日食べても飽きない、普段使いのお菓子を提案。お菓子に合う飲み物、お茶にも造詣が深く、日本茶イベントや講習会などで幅広く活躍。

この記事は『四季dancyu 2023 冬』に掲載したものです。

四季dancyu 2023 冬
四季dancyu 2023 冬
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833482431
2023年12月13日発売/1,200円(税込)

文:鹿野真砂美 写真:森本菜穂子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。