大原千鶴さんの「今宵のあて」
意外な組み合わせなのに、和えるだけで美味しい「トマトとスイカの和えもの」

意外な組み合わせなのに、和えるだけで美味しい「トマトとスイカの和えもの」

夏が旬のトマトとすいか。別々に食べるものと思っていたら、これらを一緒に和えると夏の疲れを癒してくれる、清涼感あふれるみずみずしいあてに。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

すいかの塩で、夏気分満載

トマトとすいかの組み合わせにびっくりされると思いますが、この二つは種を取ってしまうとほぼ同じで、見た目もそっくりです。どちらも野菜のような、フルーツのような食材で、シンプルに味と色を楽しめます。

コツは、種を取って果肉だけを使うこと。水っぽくならず、果肉をしっかりと味わえます。すいか2に対して、トマト1。この割合を守っていただきたいです。

そして、和えたてが美味しいので、食べる直前につくってください。レモンと塩で和えるだけなのに、おつまみにも、デザートにもなる爽やかなひと品になります。

これがまたお酒に合うんです。塩つながりで、ホワイトラムソーダをソルティドッグ風にしたら、甘じょっぱいすいかにもトマトにもぴったり。夏ならではの爽やかな組み合わせです。

トマトとスイカの和えもののつくり方

材料材料 (2~3人分)

すいかの実200g
トマト小1個(100g)
ひとつまみ
レモンの搾り汁少々
フェンネル少々

1トマトの下準備

トマトは皮に十文字に切り込みを入れ、ヘタをくり抜く。熱湯で10秒間ゆで、冷水にとり、皮をむく。横半分に切って、スプーンで種をすくい取り、3cm角に切る。

トマトの下準備

2すいかの下準備

すいかは3cm角に切り、できるだけ種を外す。

3和える

ボウルに①のトマトと②のすいかを入れ、塩とレモン汁で和える。器に盛り、フェンネルを飾る。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。