大原千鶴さんの「今宵のあて」
そうめんのように味わう「もずく とろろつゆ」

そうめんのように味わう「もずく とろろつゆ」

一年中店頭に並んでいるもずくですが、旬は今の時季。出回っているものの多くが沖縄産で、6月いっぱいは初物をいただけます。酢の物にすることが多いですが、食べ方を変えると定番のもずく酢とは違う味わいに。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

爽やかな味わいのもずくとシークワーサースピリッツの水割りで南国気分に

もずくは4月から6月が旬で、とろみと口あたりの良さが特徴です。この料理は、相性のいいとろろのつゆにつけながら、そうめんのようにスルッと食べてもらう仕立て。酸っぱいのがちょっと苦手、という方も食べやすいと思います。

もずくは塩蔵のものを使い、塩の抜け具合をみながら好みの味に加減するようにします。ポン酢はそのままでは濃いので水で倍に薄め、とろろと混ぜ合わせて麺つゆ風に。

もずくはほかにもいろいろな調理法がありますが、もずく料理の中で私はお味噌汁が一番好きで、夏にぴったりです。あとは沖縄料理にある揚げものもお薦めです。油をよく吸いますが、お酒のいいあてになります。

お酒は、もずくの産地である沖縄つながりで泡盛。シークワーサースピリッツをブレンドしたフルーティーな泡盛の水割りです。つまんで、飲んで、南国気分をお楽しみください。

もずく とろろつゆのつくり方

材料材料 (2人分)

もずく100~150g(塩蔵)
長芋130~150g(正味100g)
★ 薬味
・ 青じそ3枚
・ みょうが1/2個
A
・ ポン酢しょうゆ大さじ1
・ 水大さじ1

1もずくの下準備

もずくはザルに入れて洗って水気をきり、たっぷりの水につけて塩抜きをする。10分程度経ったら味見をして塩が抜けたらザルに上げ、水気をしっかりときる。

もずくの下準備

2薬味とつゆの下準備

青じそとみょうがはせん切りにし、それぞれ水にさっとさらして水気を絞る。Aを合わせておく。

3とろろつゆをつくる

長芋は皮をむいてすりおろし、器に盛り、②のAをかけて混ぜ合わせる。

4盛りつける

①のもずくを器に盛り、②の薬味をのせる。もずくと薬味を③につけながらいただく。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。